<セCS第2ステージ:巨人6-4中日>◇第2戦◇22日◇東京ドーム

 巨人が集中打で中日チェンを攻略し、大きな1勝を挙げた。2点を先制されたが追いつき、4回には阿部慎之助捕手(30)の1号ソロで勝ち越し、ベテラン左腕キラー大道典嘉内野手(39)の代打2点適時二塁打でチェンをKOした。9安打を浴びせ5点を奪った。これでアドバンテージを合わせて2勝1敗。巨人が1歩優位に立った。

 粘った。1球、2球、3球…。松本が中日チェンの速球をカットするたび、スタンドがどよめいた。1点を追う3回1死、カウント2-2から1ボールを挟み6ファウル。140キロ台後半の剛球に、懸命にバットをあわせた。12球目、甘め直球を中前打。どよめきは歓声となった。「少々ボール球でもカットして打てる球を待ってました」。粘り腰の勝利。続く小笠原が四球で続き、ラミレスの同点打を呼び込んだ。

 チェン攻略。前日の初戦を落とし連敗は許されない巨人打線の使命だった。12球団トップの防御率1・54を誇るが、打ち崩すカギはつかんでいた。篠塚打撃コーチは「80球くらいを過ぎると球威が落ちる可能性がある」と分析。松本の前の打者、坂本も粘った。二邪飛だったが、ファウルを続け10球を投げさせた。2回まで32球のチェンが、3回だけで42球。早くも74球を放らせた。これが、4回の勝ち越し劇の伏線だった。

 先頭阿部が勝ち越し弾。続く古城はセーフティーバントを決めた。一塁ブランコのタッチをかいくぐり、頭から滑り込んだ。次のオビスポもセーフティーバント。坂本が送り1死二、三塁。チェンの球数は86球を数え、ベンチが動いた。

 前打席、中前打の松本に代打大道。勝負どころで左キラーの切り札を早々と投入した。実は試合前、大道はチェンをベタ褒めしていた。「別格だよ。ボールが浮き上がって大きく見える。全盛期の工藤さんみたい」。プロ22年目。数々の好投手と出会ったが、ダイエーでともにプレーした先輩左腕になぞらえた。それでも「7回ぐらいから球威が少し落ちる。押っつけてもダメ。上からたたくこと」。カウント0-1からの88球目、インハイ143キロを引っ張った。左翼線を破る2点打で勝負の流れが決まった。球威の落ちが予想より3イニング早まったのは、前の回の坂本&松本の粘りがあったからだ。

 若手2人の粘り。下位を打つベテランのガッツ。勝負どころを見極めたベンチワーク。そして、大ベテランの一振り。すべてがかみ合い、原監督は「みんなが力をあわせてやってくれた。すべてが重い点になった」と満足げだった。一丸プレーで、日本一への山を一歩上がった。【古川真弥】

 [2009年10月23日8時29分

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