広島が「阪神城島」の誕生に警戒を強めた。マリナーズを退団した城島健司捕手(33)が27日、阪神入りを表明。同じセ・リーグ球団に活躍の場を求めた城島に対し、特に広島投手陣が刺激を受けた。宮崎・日南秋季キャンプ中の大竹寛投手(26)や前田健太投手(21)の先発陣はレベルアップを誓った。今季、阪神とはクライマックスシリーズ(CS)進出を懸けてシーズン終盤まで争ったが敗退。来季は「城島包囲網」を敷き、宿敵に競り勝つ決意だ。

 思わぬ難敵の出現にもひるまない。この日は秋季キャンプ2日目。日南市内の東光寺球場で下半身強化メニューを終えた投手スタッフは、「阪神城島」の誕生に驚きを隠せなかった。「ソフトバンクに行くと思っていた」と口々に言う。一方で気持ちの切り替えを図り、来季の対戦に思いをはせた。

 今季、05年以来4年ぶりの10勝をマークした大黒柱の大竹は、城島について「フルスイングしてくるイメージ。いい選手には変わりない。しっかり練習して、自分のレベルを高めるだけ」と気合を入れた。公式戦で対戦したことはなく、05年3月3日のオープン戦ソフトバンク戦で2打席対決した(四球、三ゴロ)だけ。今季は阪神戦4試合に先発して1勝0敗。防御率1・23と封じ込めた。好成績を維持するためにも、オフは自らの鍛錬に集中する。

 マリナーズで主力を張り、通算48本塁打を放った城島の加入で、阪神打線の破壊力が増すのは間違いない。対戦経験のない前田健も「捕手で、打撃のいい人はイヤですね。巨人の阿部さんのように、打撃のいい捕手がいるチームに投げるのはイヤ。気の抜くところがないですから」と話した。野村新監督が掲げる優勝をなし遂げるためにも、バッテリーを中心とした「城島対策」は欠かせない。

 小林投手コーチが「いい打者なのは、誰でも分かっている。時期が来れば対策も考える。いまは個人のレベルを上げることが大事」という。スタミナ強化のため、投手陣は「投げ込み指令」を出されている。秋季キャンプでパワーアップすることが、城島退治の第1歩になる。【酒井俊作】

 [2009年10月28日12時26分

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