<日本シリーズ:日本ハム3-4巨人>◇第1戦◇10月31日◇札幌ドーム

 あと1点が遠かった。日本ハムが初戦を落とした。2点差の6回には3安打、9回にも2安打で1点差に詰め寄ったが、あと1本が出なかった。7回以降、梨田昌孝監督(56)の必死の継投策も、逆にリードを広げ、実らなかった。リーグ優勝の原動力となった、つなぎの野球を発揮できず黒星スタート。1日の第2戦の先発は左臀部(でんぶ)痛で離脱していたダルビッシュ有投手(23)が濃厚。エースで巻き返しを狙う。

 1点の重みを最後まで実感した。接戦を落とすと、梨田監督が天を仰いだ。2点を追う最終9回、守護神クルーンを追い詰める。1点差とし、なお2死一、二塁。長打が出れば逆転のシーンを演出したが、小谷野が見逃し三振。本拠地開幕での黒星スタート。指揮官は「粘れたことは良かったけどね。(常に)ビハインドだったので、打線もつながりを欠いたのかな」と強がりも見せながら、素直に悔やんだ。

 ベンチワークの応酬で、屈した。6回に代打二岡の適時打で1点差とし、追撃ムードを作った直後の7回だった。巨人ベンチが古城に代打大道を告げ、林をスイッチ。江尻を投入すると、代打の代打で李が登場した。1点勝負になりそうな終盤。敬遠での満塁策か、勝負かの2択。梨田監督が「指示を出していない」と判断を委ねたバッテリーは、李に挑んだ。

 荒れ球が持ち味の江尻。満塁にすれば、押し出しの危険性もはらむ。勝負を選んでも、ベンチは尊重した。カウント1-1から甘く入った直球を、中前へはじき返された。流れをまた引き戻される、痛恨の一打。「歩かせるのは簡単かもしれないが、つながれば大量点になる」。梨田監督はビッグイニングへの恐れを理由の1つに挙げたが、1点でも与えたくなかったところ。同監督は結果論だが「1点差になって、また2点になったところ」とも明かす分岐点になった。

 この回は右対右、左対左にこだわり、3投手を投入する小刻みな継投を繰り出した。李の次打者は、坂本。その前の5回の打席で2点二塁打を放っているが、変則右腕の江尻で勝負する手もあったが、裏目に出た。5回は武田勝のバント処理ミスからピンチを広げて勝ち越しの2点を献上した。シリーズ前に必勝条件に掲げた、投手中心の守り勝つ野球が微妙に狂った。

 開幕前日の10月30日。バッテリーと野手の2班に分かれたミーティングを終え、梨田監督は全員をロッカールームへ集合させた。梨田監督は「ここまで来られたのは裏方さんたちの支え。それを忘れずに頑張ろう」と、第1戦へ結束力を強めた。その直後、フロントトップの島田チーム統轄本部長が「てっぺん、とりましょう!」と大号令をかけてまで臨んだ大一番。少しの掛け違いが、明暗を分けた。初戦で痛感することができたビッグゲームの怖さを、巻き返しの糧にする。【高山通史】

 [2009年11月1日11時13分

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