<日本シリーズ:日本ハム4-2巨人>◇第2戦◇1日◇札幌ドーム
日本ハム稲葉篤紀外野手(37)の一振りが、日本ハムのつなぎの打線を点火させた。3回2死走者なし、カウント2-3から3球ファウルで粘った9球目。巨人内海の117キロスライダーを、右翼スタンドまで運んだ。最前列に飛び込む1発に「手応えはあった。あそこまで飛んでいると思わなかった」と自虐的に笑ったが「うまく反応できました」。今シリーズ初めてリードを奪った。
4番高橋も中越え二塁打で続くと、スレッジ、小谷野、糸井と安打がつながり一挙4得点。稲葉も「ファイターズらしいというか、つないで点を取るという“らしさ”が出た」と後続の打者をたたえた。
開幕から4カ月連続で3割を超えていた稲葉の月間打率は、8月に入ると2割5分6厘、9月も2割7分7厘と一気に落ち込んだ。WBCから休まずプレーしてきたツケが出た。練習パートナーとして常に一番そばで接してきた斉藤打撃投手が「目元がくぼんで、相当疲れていると思った」と心配して声をかけると、いつも気丈な稲葉が「頭ではわかっていても体がついていかないんです」と打ち明けてきたという。公私ともに親しい間柄だが、弱音を吐いたのは05年の日本ハム入団以来「初めて聞いた」という。
シーズン、CS、日本シリーズと休みなく動いている稲葉だけに、蓄積されてきた疲労は今も抜けきらない。だが、一緒にWBCを戦ったダルビッシュが、体にムチ打ってマウンドに上がった一戦。「気持ちがこもっていたし、痛いそぶりも見せていなかった。勝たせてあげたかった」。仲間の奮闘を力に代えた。
2死から4点を奪った打線には、梨田監督も脱帽した。「あきらめかけていたときに(連打が)出るという、素晴らしい打線です。昨日の残塁(12)が今日の攻撃に生きた。本当につながってきた」。エースの力投+主砲の1発=つなぎの野球。本来の姿を取り戻したチームは、自信を持って敵地へ乗り込む。【本間翼】
[2009年11月2日8時11分
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