西武涌井秀章投手(23)が2日、初の沢村賞を受賞した。西武では01年松坂(現レッドソックス)以来。秋季キャンプ地の宮崎・南郷で会見した涌井は「聞いた瞬間、素直にうれしかった。背番号が変わったのが大きなポイントになった。入団した時よりは(松坂さんに)近づけた」。エースナンバー18を松坂から受け継いだ年に手に入れた勲章を、誇らしげな表情で話した。

 2度目の最多勝に輝いた16勝をはじめ、両リーグ最多11完投など、基準の7項目をすべてクリア。昨季は10勝と苦しんだが、本格派への転身に成功し今季の復活があった。「三振も多かったし、1人だけ2ケタ完投で可能性はあると思ってました。ダルを抑えたのが一番うれしい」と、ライバル視する日本ハム・ダルビッシュの存在も飛躍の要因となった。

 しかし今季4位の成績では心底喜べなかった。「来年は優勝して、この賞をとれれば、もっとうれしいと思います。大事な試合を全部勝てるように頑張ります」と目の色を変えた。V奪回で連続沢村賞。エースに新たな目標ができた。

 [2009年11月3日8時19分

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