2010年はトロイカ体勢で巻き返しだ。中日の来季組閣が2日、発表され、04年の落合政権発足後初めてヘッドコーチの肩書が生まれた。森繁和バッテリーチーフコーチ(54)が新設されたヘッドに昇格。さらに辻発彦2軍監督(51)が総合コーチとして1軍首脳入りし、落合博満監督(55)の脇を固める。井上一樹打撃コーチ(38)、垣内哲也打撃・外野守備走塁コーチ(39)が新任。選手だけでなく首脳陣もにメスを入れ、V奪回に挑む。

 落合監督が就任7年目にして組閣方針を曲げた。ここまでヘッドコーチを置かずにきたが、バッテリー、野手を総合的に統括するヘッドを新設し、森バッテリーチーフコーチを任命。さらに総合コーチのポストも新設し、辻2軍監督を指名した。投手、野手の枠にとらわれず、総合的に監督を補佐するスタッフで脇を固め、強固なトロイカ体勢をつくった。

 同監督は組閣の意図について「何もないじゃん」とはぐらかしたが、V奪回に向けた固い決意を込めていた。今季は野手のヘッド格を置かず、バッテリーのヘッド格である森コーチと二人三脚で戦った。だが、首位巨人に12ゲーム差をつけられてV逸。チームをつくり直す上で、選手だけでなく、首脳陣のあり方も考え直したようだ。これまでは「負けたときに責任を問われるから」との理由でヘッドを置かなかったが、負けを想定するより、勝つためのベストの選択を選んだとみられる。

 森コーチは今季、投手陣をリーグ2位の防御率3・17に導くなど、クライマックスシリーズ(CS)進出のキーマンとなった。また、ドミニカ共和国で発掘したブランコが本塁打、打点の2冠王に輝くなど、打線に果たした役割も大きい。明日4日には新たな選手発掘などのためドミニカに向け出発予定で、権限が広がればよりチームに好影響があると判断されたようだ。

 辻2軍監督は、同ポストを務めた3年間で2度ウエスタン・リーグを制覇し、いずれもファーム日本一に輝いた。勝つことと育成を両立させた手腕で、1軍のチームづくりでも投手、野手の枠を超えた活躍が期待される。「ヘッドコーチがいての総合コーチとなるので、投手陣も含め、うまくコミュニケーションをとりながらやっていきたい。内野に関しては元気のいい、常にはつらつとした内野にしていきたい」と、意欲的に語った。

 2軍監督には川相昌弘内野守備走塁コーチ(45)が就任し、1、2軍のパイプ役となる。3年契約の2年目を迎える落合監督は、首脳陣をリフレッシュし、ペナント奪回に挑む。【村野

 森】

 [2009年11月3日11時31分

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