<日本シリーズ:巨人7-4日本ハム>◇第3戦◇3日◇東京ドーム

 充実感で胸がいっぱいになった。巨人ウィルフィン・オビスポ投手(25)が育成出身初の日本シリーズ先発で初勝利。険しかった道程を振り返るように話した。「この舞台で投げられることが幸せだった。勝てて良かった」。夢に見たマウンドを最大限に楽しんだ末の勝利だった。

 3本のソロ本塁打を浴びたが、集中力は保った。最速149キロの直球とチェンジアップ、スライダーで必死に組み立てた。6回を投げ4安打3失点。始球式を務めたブッシュ前米大統領から「どこの出身?」と質問を受け、「ドミニカ共和国です」と返答。躍動する姿は前大統領の印象に残ったはずだ。

 昨年の日本シリーズ。2軍の台湾遠征先のホテルでテレビ観戦した。「今ここにいることなんて想像してなかったよ。米国ならワールドシリーズに匹敵する」。故郷ドミニカ共和国の友人には「オレが日本シリーズの舞台に立っているんだぜ」とメールを送った。不退転の覚悟で海を渡ってきた男に、大舞台は望むところだった。

 来日3年目。不思議さが売りだが、日本の文化にも慣れてきた。投手練習の日だった。オビスポは「どこ?」とジャイアンツ球場をウロウロ。2軍時代に世話になった小谷投手コーチにあいさつするためだった。感謝の気持ちを忘れない姿勢が、同僚らに愛される理由だ。第7戦までもつれた場合、再び大一番のマウンドに立つ。【久保賢吾】

 [2009年11月4日8時39分

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