三村さん、見ていてください!
広島岩本貴裕外野手(23)が4日、秋季キャンプ地の宮崎・日南市内で来季の奮起を誓った。前日3日に元広島監督の三村敏之氏(享年61)が死去するという悲報が届いた。岩本は同氏と同じ広島商出身で、同校出身の現役プロ野球選手は岩本だけだ。即戦力と期待されたルーキーイヤーの今季は打率1割5分2厘と振るわなかった。同氏の激励を胸に秘め、2010年こそ巻き返しを図る。
偉大な大先輩が抱いていた「野球愛」を受け継ぐ。3日に心不全のために急逝した三村氏は、同じ広島商出身だった。親子ほど離れた年齢差で、岩本にとって面識はほとんどない。それでも直系の後輩として、来季に向けて奮い立った。
「OBだし、亡くなられるのは悲しい。僕も一生懸命やらないといけない。学校にも恥をかかさないように、やらないといけない」
今季はプロのレベルの高さに苦しみ、好結果を残せなかった。それだけに来季の活躍こそが、先輩への最大の供養になる。広島商からは南海監督を務めた鶴岡一人のほか、山本一義、大下、達川ら名選手を多く輩出したが、現役のプロ選手は岩本だけになった。三村氏もプレーした名門校の威信を保つためにも、背番号10への期待は大きい。
今年2月。春季キャンプに訪れた三村氏と対面して「頑張れよ!」とエールを送られていた。同校野球部の教えには「野球人の前に、人間としてしっかりすること」という一文がある。この日朝は、スポーツ紙を読み込んだ。「いろんな方のコメントを読んで、あれだけ(多く)言われる方もいない。人間性も素晴らしいと思いました」。紳士的な立ち居振る舞いを見せていた三村氏の姿は、岩本にとっても、あるべき人間としての手本なのだ。
2年目の来季に向け、戦いは始まっている。1日には初めて契約更改交渉に臨み、100万円減の推定年俸1400万円でサイン。「今までのままではいけない」と危機感を口にしていた。日南秋季キャンプでは、一塁守備にも挑戦する。2日の紅白戦で初めて実戦にトライ。「動きが固まるのではなく、いい1歩を切れるよう、準備しないといけない」。必死に白球を追う日々を過ごしている。
「自分も含めて、ヒロショウ(広島商)を盛り上げていきたい」。広島で生まれ育ち、広島ファンだった。三村氏がカープの監督を務めた94年からの5年間は、岩本少年が客席で観戦していた時期だ。これからは、自らのバットで広島を盛り上げる。【酒井俊作】
[2009年11月5日11時28分
紙面から]ソーシャルブックマーク




