<日本シリーズ:巨人3-2日本ハム>◇第5戦◇5日◇東京ドーム

 梨田日本ハムが、がけっぷちに追い込まれた。1点リードの9回、守護神武田久投手(31)が亀井に同点ソロ、阿部にサヨナラソロを浴びて今季初黒星を喫した。先発藤井秀悟投手(32)が巨人重量打線を相手に7回無失点と好投。同点の9回には高橋信二内野手(31)のソロで勝ち越したが、その裏にまさかのどんでん返しを食らった。2勝3敗と後がなくなり、本拠地札幌ドームで連勝するしかなくなった。

 総立ちの右翼スタンドに背を向け、ゆっくりとマウンドを降りた。沈んだ守護神武田久は、足早にロッカー室へ姿を消した。1点リードの9回。わずか4球で2本塁打を浴び、まさかのサヨナラ負けを喫した。梨田昌孝監督(56)の第一声は「野球の恐ろしさ。ファンに感動は与えられる試合にはなったんだけど」と悲痛だった。

 日本一へ王手をかける寸前で逆に追い込まれた。同点にされた直後の9回。主砲高橋が、山口から右中間席へ2試合連続の勝ち越しソロ。同点なら温存するはずだった武田久を投入し、逃げ切りへ向かった。しかし先頭の亀井に初球、真ん中高め速球を右翼席へ運ばれた。1死を奪ってひと息ついた直後、残酷なドラマが待っていた。

 打者阿部のカウント0-1からの2球目。高めに浮いた121キロカーブをとらえられ、打球は右翼席へ消えた。武田久は「1球もいい球がいかなかった。今年一番、悪い」と気丈に話した。生命線の低めへの制球が狂った。今季55試合、60イニングでわずか1本しか浴びなかった1発を重ねられた。「ずっとコントロールで勝負してきた投手がこれではダメ」と、最後まで自分に厳しかった。

 ミスで笑い、ミスに泣いて、悲劇の伏線ができた。2回に小笠原の適時失策で先制。7回無失点と快投の藤井を代えた8回、守備が崩れた。1死二塁で林が二塁へのけん制で悪送球し三塁へ進まれた。前進守備をあざ笑うかのような、代打大道のハーフライナーが右前へ落ちて同点になった。

 ミスがなければ二直の打球だった。結果論だが、大どんでん返しされる予兆となった。林は「作戦だったし、殺しにいく場面。完全に僕のミス」と痛恨のミスを反省した。第1戦から4試合に登板した宮西は今後を見据え静養。林に託さざるを得ない状況で、梨田監督が「向こうもそうだけれど、こっちも大事なところでミスが出た」と悔やむ要所だった。

 7日からの札幌ドームでの第6、7戦で連勝しなければ06年以来の夢は散る。流れは再び巨人へと大きく傾いた。それでも梨田監督は「こういうこともある」と開き直った。逆転Vへ、後がない大勝負を本拠地で迎える。【高山通史】

 [2009年11月6日9時13分

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