ジョーよ、走れ!

 阪神真弓明信監督(56)が期待の新戦力・城島健司捕手(33)の単独スチールを容認した。強打の捕手ながら、相手のスキを突くセンスは抜群。00年には10盗塁を記録するなど15年のプロ生活で70盗塁を成功させている。これには指揮官も「ウチのチームでも、行ってもらいますよ」とGOサイン。重量打線の編成で、不安視された機動力の低下も心配無用だ。金本や鳥谷らとともに走るクリーンアップに夢が膨らむ。

 攻守ともにチームの「要」を担う男が意外なジャンルでも期待されていた。それは「走る」ことだ。強肩強打の捕手ながら、実は盗塁センスは抜群。この話題になると、真弓監督の口元も緩んだ。「自分がキャッチャーだから、分かるんだろう。相手のスキを見て、走るんじゃないか。前からやっている選手だから、ウチのチームでもね…」。もちろん試合の状況次第だが、単独スチールを容認した。

 単なるイメージだけでなく、城島は記録にも残している。00年に自己最多の10盗塁を成功させるなど、プロ通算で70盗塁を数える。周囲を驚かせたのは、マリナーズ時代の昨年6月。相手捕手の動きを冷静に見て、本盗を決めた。俊足のイチローを差し置いて、日本人メジャーリーガー初の快挙だった。そんな城島は盗塁に関して、こんな言葉を残している。「僕にサインが出るわけない。足が遅いランナーだからこそ、チャンスはありますから」。意外性のあるプレーも、大きな魅力だ。

 城島の加入による唯一の懸念材料は、機動力のダウンだった。真弓監督は走る野球にもこだわり、この秋季キャンプでも柴田や上本ら走塁のスペシャリスト育成にも力を注いでいる。それが、城島本人も盗塁の期待が膨らめば、おもしろい状況へと変わっていく。主軸では金本が今季チーム3位の8盗塁。鳥谷も積極的な走塁への意識が高まり、7盗塁を記録している。他球団にはない「走るクリーンアップ」の結成も十分にあり得る話だ。真弓監督はまんざらでもない表情でこの日の会見を締めくくった。「行ってもらいますよ」。ジョーよ、走れ!

 塁上でも城島は相手を震え上がらせる。【田口真一郎】

 [2009年11月15日11時58分

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