日本ハムが、今季限りでヤクルトを解雇された木田優夫投手(41)を獲得することが26日、分かった。1年契約で年俸は1000万円(金額は推定)。27日に発表される。リーグ連覇、日本一奪回へ、積極的に投手力の強化を進める今オフの日本ハムだが、来季プロ入り24年目を迎えるベテラン右腕に白羽の矢を立てた。

 投手力強化へ、日本ハムが積極的な補強を推し進める。新外国人カーライル、前日25日に横浜からトレードで獲得した加藤武、松家に続き、今度は来季でプロ入り24年目になる大ベテラン木田の補強が明らかになった。27日に発表され、来月2日に入団会見を行う見込み。木田は「大好きな野球を続けるチャンスを与えてもらって感謝しています。日本ハムはリーグ優勝した強いチーム。連覇に貢献できる働きをしたいです」と決意を込めた。

 FA市場に見向きもしなかったように、日本ハムは「育成」というチーム方針を掲げ、自前の有望若手選手を育ててきている。メジャーを含めて延べプロ7球団を渡り歩いた木田は、これまでの補強戦略からは大きく外れているように見えるが、その“禁”を犯してでも獲得に動いたのは、それだけ期待する部分が大きいことの裏返しでもある。

 今季のヤクルトでは若手優先の起用方針だったため30試合の登板にとどまった木田だが、春先には先発も務めるなど、球威も140キロ台後半と衰えはない。連投も可能で、経験豊富な中継ぎ投手として計算ができる。

 また入念なウオーミングアップやストレッチ、体幹トレーニングを人一倍こなすなど練習態度もまじめで、所属球団では常に若手の模範となる存在だった。23歳のダルビッシュ、26歳の八木など、全体的に年齢が若いのが日本ハム投手陣の特徴。41歳の木田は33歳の建山を抜いて投手陣最年長となり、“生きる教本”としてもチームの大切な戦力となりそうだ。

 ヤクルト退団が決定後も現役にこだわり、最終的には育成枠でも構わないという姿勢で移籍先を模索していた。木田は「年俸が安いことは気にしていません。力になれればいいし、それしか考えていません」。チームの勝利のために、全力を尽くす覚悟だ。

 本拠地となる札幌は小学校時代に住んでいたこともある場所。「地元で頑張るという気持ちでいます。1年1年が勝負。少しでも長く札幌でプレーできるように頑張りたいです」。リーグ連覇、そして今季果たせなかった日本一奪回へ、日米通算556試合登板の大ベテランの存在は心強い。

 [2009年11月27日10時32分

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