日本ハム梨田昌孝監督(56)が、来季1軍定着が期待されている中田翔内野手(20)に「ベンチマナー順守」を要望した。28日、札幌市内のショッピングモールで行われたトークショーに出演。今季、1軍デビューした中田のベンチでの立ち居振る舞いが未熟と指摘し「間(ま)というかタイミングが悪いというかね」と苦言を呈した。若手が中心となって声を出して盛り上げる慣例を守ることも、必要課題になりそうだ。

 声に自慢の梨田監督が、親心あふれるゲキを中田に飛ばした。

 スレッジの退団の可能性が高く、同監督が盛り上げ役と評価していた稲田が横浜へトレード移籍。チームが生まれ変わり、出場機会が増える来季、予想外の分野からダメ出しした。「何か声が通りにくいというかね。(声出し役とか)そういうのも、少しは大事」。自称、故石原裕次郎似の甘いボイスで、中田の天性の声質をかばいながらも、ベンチ待機時のチームプレーの重要性を説いた。

 くしくも尊敬する先輩からも同じく、助言されていた。ダルビッシュは22日の「プロ選抜対大学日本代表」で走塁ミスを犯した翌日、同じように注文をつけていた。「(姿勢が)変わらないから結果が出ない。全力疾走だとか、ベンチで声を出すだとか、アップのときに最初に出てくるだとか」。一緒にプレーする当事者同士しか分からない“欠点”は、チームの共通認識だった。

 アマ時代からスター街道を歩み、控えの経験が少ないことも背景にある。梨田監督は「今まで試合に出ていたから、しょうがないのはある」と情状酌量したが、意識次第では容易に改善できるポイントだ。梨田監督の来季構想に「もちろん、声を出してもらうためとは考えていない。試合に出てもらわないと困る」との前提があるからこその、愛のムチ。コエなければ、1軍定着という最低限の壁もコエない。【高山通史】

 [2009年11月29日11時35分

 紙面から]ソーシャルブックマーク