ダメ出し続きの若き大砲に、救いの手が差し伸べられた。日本ハム田中幸雄2軍打撃コーチ(41)が5日、2年目中田翔内野手(20)の「後見人」に立候補した。来季から指導者生活を本格スタート。やや伸び悩んでいる、背番号6を譲り渡した後継者に技術、精神の両面で「積極的に話をしていく」と、密着して育成する決意を表明した。

 意気消沈気味の中田に、やっと明るい光が見えた。この日、西武ドームで行われた「昭和42年会」の野球教室に参加した田中コーチの指導意欲は、少年だけではなく、眠れる大器へも向いていた。

 田中コーチ

 もっとパワーとかスピードをつけないといけないし、守りも走塁も変えていかないといけない。自分は2軍(コーチ)だから、どこまで一緒にいられるかは分からないけれど…。

 中田には久々の温かい言葉だった。前日4日の球団との契約更改交渉の席上、その前には梨田監督、ダルビッシュから間接的に、野球に対する姿勢などで注意を受けていた。田中コーチは秋季教育リーグ、秋季練習などで、指導者としての第2の人生をスタート。その際に「センスは素晴らしい」とほれ込んだ逸材が、中田だった。

 生え抜きで成長が期待される、4番候補の筆頭。中田にとっては勝負の3年目に、心強い後押しを受けることになった。「どういう考えを持って、これから臨んでいくのか」と田中コーチ。名球会入りしたコーチ1年生と、もがく来季プロ3年生が二人三脚でトンネルの出口を探す。

 [2009年12月6日10時50分

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