【ハワイ19日(日本時間20日)=村上秀明】日本ハム梨田昌孝監督(56)が、ダルビッシュ有投手(23)に「トラになれ!」と珍指令を出した。来年2010年の干支(えと)のトラにかけて、時にはマウンド上でほえることを推奨。リーグ優勝旅行の最中、気合を前面に出した猛虎スタイルでチームをけん引することを要望した。

 望む姿は、2010年にふさわしい投球スタイルだった。梨田監督がダルビッシュに対し、珍しい願望を口にした。来年が本厄となるエースの話題に触れた際「来年(のえとは)はトラだろ。トラは強いからね。ダルにもほえまくってほしいね」と笑顔で話した。

 「ほえる=気合を表に出す」の意味で、これまでのダルビッシュも要所要所で見せてきた姿だ。「自然と出るものだけど、あいつは何をしてもかっこがいいね」。指揮官は、投手の気持ちの入った投球が野手に与える影響が大きいことも熟知。チームを鼓舞する意味でも、雄たけびスタイルの継続を望んだ。

 今季の日本シリーズ第2戦。2死満塁のピンチで、巨人小笠原を空振り三振に仕留め、ダルビッシュが叫びながら握り拳をつくった姿が印象に残った。「相手チームのこともあるし、出し過ぎるとあんまりね」と対戦相手の心情に配慮しながらも、気合の入ったマウンドさばきを頼もしく感じていた。

 「内に秘める人もいいだろうし、全員がというわけではないが」と前置きした上で、叫び型の投手はスタイルを貫くことを積極的に容認。「今年は林もそうだし、宮西もあったね」。監督自身も、8月28日ソフトバンク戦の5回無死満塁での無失点を振り返り「心の中ではほえていた」と笑った。

 当のダルビッシュは来年に向けて「前厄?

 そんなの気にしだしたらきりがない。自分がやるべきことをやるのが大事」と話していた。プロ6年目の2010年、ほえればほえるほど白星が積み重なっていくに違いない。

 [2009年12月21日9時23分

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