今季チームトップの13勝をあげた阪神能見篤史投手(30)が22日、大阪市内のホテルでクリスマスイベントに出演し、来季の本拠地勝ち越しを誓った。会場には、オリジナルのユニホームを身にまとった熱いファン。聖地で力をくれるはずの虎党を前に衝撃発言が飛び出した。

 「甲子園は良くないんですよ。いい思い出はまったくない。ホームは4勝ですから。投げにくいというのではないんですけど、勝ちにくい」

 今季13勝9敗、防御率2・62と自己最高の成績を残したが、主催試合は4勝6敗で防御率3・86だった。球場別に見ても、マツダスタジアムの防御率0・00(4勝0敗)をはじめ、東京ドームで防御率2・95(2勝1敗)、チームが4勝7敗と負け越した神宮でも同1・42(1勝1敗)。ところが、甲子園では同3・75(4勝4敗)と振るわなかった。

 たが克服へのヒントはつかんでいる。それが「2度アップ作戦」。通常ホームでは試合開始2時間前にアップを終え、クラブハウスに引き揚げた後、再び「出陣」する。「ホームだと(相手チームより)先に練習があって、試合まで時間が空く。いったん体が冷めてしまっていた」。試合開始ギリギリまで体を動かせるビジターゲーム同様、今季終盤には試合前にもう1度アップをやり直すなど、自分なりの調整法を見つけ「感触は良くなっていった」という。

 「年齢も30代に入ったけど、体の変化もまったく感じない。まだまだ伸びると思ってますよ」。ほとんどの投手が喜ぶはずの聖地を来季こそ得意球場にする。【村上久美子】

 [2009年12月23日11時45分

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