阪神真弓明信監督(56)が24日、鳥谷敬内野手(28)を“キャプテン”に指名した。このオフからチームの選手会長に就いた若きリーダーに、グラウンドでも主将格としてチームをまとめるよう期待した。阪神は05年に赤星が当時の岡田監督から指名されて以来、キャプテン制を執っていない。今岡、赤星ら生え抜きの主力が去った新生チームを鳥谷が引っ張る。

 プレーボール後は戦場に立てない指揮官が、鳥谷に全権を託した。明確な制度こそないが、勝負をかける2010年シーズンの“キャプテン”に若き遊撃手を指名した。

 真弓監督

 キャプテンときっちり決めることはないけど、鳥谷はリーダー的なところはやってもらいたいなと思う。タイプ的に向いていないこともない。今年は練習中から声を出して盛り上げていた。意識が出てきたのではないか。

 このオフに赤星から選手会長の大役を引き継いだ。さっそくオフの契約交渉で球団側と激論を交わしている。プロで初の越年更改が決まるなど、じっくり交渉を重ねているのは、チームに対する思いからだ。

 もちろん、ユニホームを着てもチームを引っ張る立場を自覚していい。真弓監督があえて鳥谷に主将役を期待したのは、チームが変革期を迎えていることと無縁ではない。

 真弓監督

 モチベーションは選手が自分たちで上げていくもの。自分のポジションにある選手が来ても、競争はしていかないと。キャンプインすれば、自然と闘志がわいてくるもの。そうでないとプロ野球なんてやっていけない。

 今岡が退団し、赤星が引退した。ウィリアムス、アッチソンという外国人ながらチームの中核にいた選手もタテジマを脱ぐ。代わりに外国人選手が3人、そして城島という大物捕手が入団する。

 鳥谷と同じように契約交渉で球団に物申している藤川は「残った選手にも気持ちがあるから大事にしてほしい」などと環境整備を訴えた。選手が入れ替わり、各ポジションでレギュラー争いが繰り広げられるチーム状況に、まとめ役のリーダーは不可欠。遊撃の定位置をがっちりつかむ鳥谷が適任というわけだ。プロ7年目、脂が乗った「キャプテン鳥谷」のリーダーシップがチームを左右する。

 [2009年12月25日11時23分

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