白星15個で高級スーツをゲットだ!

 巨人阿部慎之助捕手(30)が29日、来季、15勝以上を挙げた日本人投手に高級スーツを贈る考えを明かした。生え抜きエースの誕生を切に願う主将は、「阿部」の頭文字を取った「A-1(エーワン)グランプリ」開催で、若手投手にハッパをかける。

 主将として、正捕手として、チームの進化を願う阿部の心意気だった。「先発は15勝にこだわって欲しい。15勝したら、高級ブランドのスーツを贈りますよ」と身銭を切る覚悟で、若手投手の奮起をうながした。

 「15」という数字は、指揮官の思いに反応したものだった。今季は先発投手で64勝を挙げたが、ゴンザレス(15勝)グライシンガー(13勝)オビスポ(6勝)と外国人で半分以上の34勝を占めた。しかも、日本人の勝ち頭、高橋尚(10勝)はFA退団。原監督は「15勝から20勝できる可能性を持った人を先発に選びたい」と中継ぎの山口を先発転向させ、日本人の先発ローテ育成を課題に掲げる。

 そこで、阿部も一肌脱いだ。「A-1グランプリ」の開催を高らかに宣言。紳士球団らしく、賞品には高級スーツを設定した。「僕は布からいくからね」とニヤリ。イタリアの高級ブランド「ゼニア」のスーツを考えている。既製品でも30万円はするというが、スイング同様、豪快に自腹を切るつもり。「内海(9勝)も東野(8勝)も15勝する力はある。20勝はすごく難しい数字で永遠のテーマだけど、それに向かってやって欲しい」と、後輩たちの実力を信じているからこそのグランプリ開催だ。

 東野は「刺激にして、15勝を目標にやっていきたい」と声を弾ませた。先発転向の山口も「励みになります。スーツ、欲しいですね」と意欲満々。高級スーツをビシッと着こなすグランプリ勝者が続出すれば、巨人のリーグ4連覇は間違いない。【古川真弥】

 [2009年12月30日7時58分

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