阪神金本知憲外野手(41)が、10年シーズンを現役生活のターニングポイントと位置付けた。広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」で新井、野原祐、上本らと恒例の元日始動。今季の目標について「チームとしてはもちろん勝つこと。個人としては、去年のようにいくようなら年齢的にも先が見えてくる。そうならないように、選手全員で、選手たちだけで優勝できるように、僕も頑張りたい」と、ひと言ひと言を区切るように答えた。

 4月3日で42歳の誕生日を迎えるプロ19年目。連続フルイニング出場の世界記録を続行中だが、今季を現役生活の分岐点と位置づけた。昨年11月7日には元広島監督で恩師の三村敏之氏(享年61)の告別式で「自分の野球人生もそんなに長くはありません」と弔辞を読んだ。自身の野球人生に触れる言葉は2度目で、それだけ不本意だった昨季を振り払う意味合いもある。

 踏み込んだ発言をした裏には、復活の手応えがある。昨年11月から継続的に肉体強化を重ねる。「今年は下半身を(強化)できている。(左ひざ手術した)2年間はできていないので、なかなか元の数値に戻りにくいし、進歩はないが、トレーニングはできているので充実しています」。手術なしでシーズンに臨むのは07年以来。3年ぶりに流せる汗が、鉄人の心を支えている。

 年齢の壁に直面するのか、さらなる高みに登りつめるのか。金本が自分自身を確かめる1年が始まった。【益田一弘】

 [2010年1月3日7時49分

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