“エコ走法”で1軍奪取だ。阪神上本博紀内野手(23)が、走法改善に乗り出した。今オフに海老野トレーニングコーチ補佐に直訴し、持久力を求めるフォーム改造に着手した。

 1年目の昨季は2軍でチーム最多の16盗塁を記録しながら、あえて従来のスタイルを捨てる決意をした。上本は173センチの体で、目いっぱい腕を振って走る。そのため、体への負担が大きくなりスタミナを奪っていた。2軍最多の88試合に出場したが「途中でしんどい時もあった」とシーズンを通じて、ベストパフォーマンスを発揮することができなかった。体の軸のブレを極力抑え、体力のロスを省くことが目的だ。

 肝心のスピードまで失う恐れもある。だが、指導する海老野トレーニングコーチ補佐は「基本ができれば、まだスピードも速くなると思う」と伸びしろを強調した。続木2軍トレーニングコーチも「20メートル走、30メートル走、坂道ダッシュは2軍の中では1番速い。変わってどうなるかが楽しみ」と変化に期待した。

 元日には広島市内のジム「アスリート」で始動した。練習後は「まだ、打てないし、守れないので、走塁でいくしかない」と足で勝負することを誓った。機動力は、チームが今1番必要としている分野だ。スペシャリスト枠で1軍切符をつかみとる。

 [2010年1月4日11時8分

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