やはり怪物左腕だ。西武ドラフト1位菊池雄星投手(18=花巻東)が21日、西武第2球場で行われた新人合同自主トレで異例の3日連続のブルペン投球をした。当初は渡辺監督らからスローペース調整を命じられていたが、同期新人3投手が疲労によりブルペン投球を回避する中、雄星だけは立ち投げで21球を投げ込んだ。疲れた状態で投球フォームのバランスを確認するためで、周囲も驚く練習量で目標とする開幕1軍へ突き進む。

 キャッチボールを早めに切り上げた雄星は、当然のようにブルペンへ向かった。西武に限らず新人合同自主トレでは異例の3日連続。フォームを確認するように、捕手を立たせたまま21球を投げた。「フォーム確認がテーマです。いいバランスで投げられていたと思います」と納得した表情で振り返った。

 19日には31球、前日20日には渡辺監督の目の前で32球を投げていた。それでも迷いはなかった。疲れからボール自体のキレはいまひとつに見えたが、そこに3連投の狙いがあった。「最近球がいっている分、力が入っていた。疲れた状態でリラックスできて、5割くらいで投げました。バランスの確認です」と理路整然と説明した。

 当初は渡辺監督らからスローペースを命じられ、自主トレ中のブルペン投球も禁じられていた。それが仕上がり具合の良さからトレーニングコーチと相談して15日にブルペン投球が解禁されたばかりか、3連投の鉄腕ぶり。調整が順調であるがゆえ、どうしても力を入れて投げたいという気持ちを抑えきれない。しかし、そこはやはり怪物。それを続けるとフォームのバランスを崩しかねないと考えながら、あえて疲れた体でブルペンに入った。投げるたびに評価はうなぎ上りだが、18歳は驚くほど冷静に自分自身を見ていた。

 蓄積した疲労はピークに達している。高校までとは違うプロの厳しいトレーニング。連日の走り込みで特に下半身の疲れは相当なものだ。実際、他の新人投手はブルペン入りしていない。ドラフト6位の岡本洋介投手(24=ヤマハ)も、3日連続となるこの日は回避した。ドラフト3位の岩尾利弘投手(22=別府大)は「今日は無理ですよ」と苦笑するしかなかった。

 身体的疲労に加え、雄星は注目度NO・1の新人として連日メディアに取り上げられている。取材による拘束時間と精神的な負担はかなり大きい。この日のノックでは、珍しくミスが目立ち、見た目にも疲労の色は濃かった。それでも考えにブレはなかった。

 高校時代は、毎日のように50球ほど投げて仕上げていくのが、雄星流の調整法だった。そして、前日に2月のキャンプでの1軍にあたるA班帯同が決定したのがさらに刺激になったようだ。「全力投球はキャンプからです」とあらためて明言した。2月1日のキャンプインからギアを全開にするべく、アクセルは緩めない。【亀山泰宏】

 [2010年1月22日9時34分

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