昨年12月上旬に飲酒で補導されたロッテのドラフト3位、大嶺翔太内野手(18=八重山商工)が22日、千葉マリンスタジアムで契約金4000万円、年俸は50万円減額の550万円(推定)で正式契約を交わした。背番号50。登録名は「翔太」に決まり、心機一転、新たなスタートを切ることになった。会見では更生を誓うと同時に「繁華街には近寄らない」と誤解を招くような行動を自粛することも誓った。

 先月9日に新入団会見を行った同期から遅れること1カ月半。大嶺翔が待ちに待ったストライプのユニホームに身を包んだ。ぎこちなく袖を通すと自然と笑みがこぼれた。たった1人の入団会見。「やっとスタートラインに立てた。社会は野球だけじゃなくルールがあることが分かった。しっかりルールを守って頑張りたい」と決意を口にした。

 昨年11月に契約金4000万円、年俸600万円で仮契約を結んだ。入団するか否かが1度白紙に戻っているため、契約金は変わらなかったが年俸は50万円減で正式契約を結んだ。瀬戸山社長は「プロなのでどこかでペナルティーを科す必要がある。だが、1カ月半苦しい思いに耐えて頑張ったということで、契約金は予定通りになった」と説明した。

 契約金の使い道については「おじいとおばあに全部あげます」と話した。育ての親である祖父母に感謝の気持ちと、今回の一件で迷惑をかけた謝罪の気持ちが込められている。「いろいろな人に迷惑をかけたので、これからは野球で結果を出して恩返ししていきたい」と口元を引き締めた。

 上京の際、祖父母からは「野球だけしっかりやるように」と送り出されたという。合宿所の最寄り駅であるJR武蔵浦和は池袋、新宿、渋谷などの繁華街へ、埼京線で乗り換えなしで行ける便利な立地にある。「東京のことはよく分からない。外出はしばらくしないと思います」と誘惑をシャットアウト。さらに周囲の誤解を招かないためにも「繁華街には行きません」と断言した。「お酒は20歳から?」の質問には「ハイッ」と神妙な表情でうなずいた。

 今後は、23日から新人合同自主トレに参加し、2月1日からの春季キャンプは2軍でスタートする。高橋慶彦2軍監督のスパルタ指導が待ち受けるが「兄(大嶺祐太投手)から厳しい方と聞いています。気を引き締めて臨みたい」と気合十分に話した。西武のルーキー雄星については「あんまり興味ないです。自分はそんな選手じゃないから」と謙遜(けんそん)する。だが、入団前に挫折を乗り越えた雑草魂で、1日も早く1軍へはい上がりたいところ。ロッテの“大物”ルーキーからも目が離せそうにない。【鳥谷越直子】

 [2010年1月23日9時37分

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