「変則二刀流」の鉄腕となってチームを支える。日本ハム林昌範投手(26)が22日、札幌市内の球団事務所で2回目の契約更改交渉に臨み、500万円増の4000万円プラス出来高払い(推定)でサイン。先発転向する左腕は気持ちを新たに、先発+緊急リリーフのフル回転を誓った。これで日本ハムは全選手が契約更改を終えた。

 林が頼もしい大黒柱宣言だ。前回提示から年俸は変わらなかったが、出来高項目で見直しがあった。先発にまわる今季は「6回3失点を最低限に、1年間ローテーションを守りたい。でもチームがピンチになればリリーフもして、大車輪の活躍をしたいです」。昭和の名投手のように、連日マウンドに立ち続ける覚悟を明かした。

 昨年12月の優勝旅行時に、梨田監督からは先発転向を直接告げられた。そのため自主トレでは「(1)スタミナ(2)投球フォームの無駄な動作をなくす(3)8割で投げるバランスの意識」という3つをテーマに練習に励んでいる。「どうしても力んで投げてしまうタイプなので。8割の力でも、キレがあればファウルもフライも取れる」と、先発型の投球にモデルチェンジする。

 しかし、思い描いてる姿はさらにその先にあった。「(巨人時代の)3年目にも、先発して結果が出なくて、その2日後にブルペン待機したこともありました。いけるっちゃあ、いけると思う。先発なら7~8回投げたいし、リリーフのときは与えられた回を0に抑えたい」。

 昨年規定投球回に達したのがわずか2人(ダルビッシュ、武田勝)だった日本ハム投手の救援陣は、58試合に登板した菊地、宮西、55試合の武田久ら登板過多となる時期もあった。それを身をもって知っている林らしい、フル稼働発言だった。

 17日には投手コーチだった小林繁氏(享年57)が急死した。同氏の現役時代と同じ背番号19を背負う林は「『オレの番号なんだから結果出せよ』というのが最初の会話でした。小林さんのためにも日本一になって、梨田監督を胴上げしたいです」。先発で、中継ぎで、日替わりで姿を変えてチームに貢献する。【本間翼】

 [2010年1月23日10時31分

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