西武のドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が、変幻自在に繰り出すガッツポーズで試合を支配する。ピンチを脱出した時の派手なアクションはトレードマークだが、ここ一番で決めるプロゴルファー石川遼(18=パナソニック)のガッツポーズも参考にしながら、状況に応じて使い分ける考えだ。この日の練習では、青森出身の細川亨捕手(30)と“みちのくバッテリー”が実現。26日に、捕手を座らせた本格投球を開始する。

 雄星はガッツポーズにも、こだわりがあった。「1年目はさすがに出せないです」と苦笑して封印?

 をにおわせたのは最初だけだった。三振を奪い、ピンチを脱するたび、大声でさけびながらガッツポーズを繰り返す姿は、高校野球ファンの記憶に新しい。プロでは日本ハム・ダルビッシュ、楽天田中らがガッツポーズで自分を鼓舞し、相手を威嚇するタイプだが、「自然と出ちゃうものなので」と雄星も闘志を前面に出していく姿勢は変えない。

 無意識に出るガッツポーズだけでなく、状況に応じて使い分けている。「試合の雰囲気を変えるのも、投手の仕事。球場の雰囲気が悪いと思ったら、ガッツポーズして変える」と秘策を明かした。15日にプロゴルファー石川と対談した際には「派手なガッツポーズをしなくなった理由」を質問した。気持ちの波を抑え、ペース配分ができるようになったことを聞き「遼くんも参考にしながら、気持ちを出したり引いたりできれば」と話し、冷静さを保ちつつ、ここ一番の勝負どころでは派手に決める。

 この日の新人合同自主トレでは、2日連続のブルペン入り。初めてブルペン捕手ではなく、経験豊富な細川に相手をしてもらい「体が大きく、キャッチングもいいんで、安心して投げられました。今日は肩ひじが張っていて3、4割の力でした」と軽めの20球にとどめた。青森出身の細川は「調子が悪かったんでしょう。フォームのバランスを確認してたので、気付いたことをちょこっと言いました。大物?

 1つ下の県の田舎っぺって感じですよ」と同じ東北・岩手出身ルーキーをジョークで歓迎した。

 26日は捕手を座らせた本格投球を開始する。「座らせたら変わってくると思う」と相手役に名乗りを上げた細川に続き、若い銀仁朗も「なるべく早く受けておきたい。明日は早く練習に来ないと」とラブコールを送った。雄星の存在が正捕手争いも刺激?

 して、注目を集めるブルペンになりそうだ。【柴田猛夫】

 [2010年1月26日8時9分

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