真弓阪神が今季開幕投手の候補を安藤優也(32)と岩田稔(26)の左右の両輪に絞り込み、競わせることが分かった。26日、鳴尾浜球場での新人合同自主トレを視察した山口投手コーチは決定時期について「2月末にオープン戦が始まる頃には決めなあかん。というか決まってるよ、その頃には」と、1カ月間の選考期間を設定した。

 同コーチは開幕投手の条件について「1年間フルで活躍できる力と、自他ともに認められる存在であること」と明言。エース井川が抜けた後、ここ2年は対抗馬がいないこともあって、安藤が早い時期に開幕投手を決めていた。だが今年は安藤1本に縛られることなく、十分に岩田も候補になりうると判断。実績では安藤に劣るが、一昨年10勝を挙げ、昨年は日本代表でWBCにも出場するなど年々たくましくなる岩田の伸びしろにも期待している。

 栄光の開幕投手の座は、キャンプでの調整が重要な判断基準となる。同コーチは「周りも見ている」と、ブルペンだけでなく、シート打撃や紅白戦での結果を求める考え。今後はキャンプでの調整度合を重要な参考資料とし、2月下旬をメドに開幕投手を決める。

 昨年勝ち頭の13勝を挙げてブレークした能見ももちろん候補の一人だが、同コーチは「他の投手に可能性はないこともないが、可能性だけで任せられるものではない」と極力、候補を絞り込んだ形で競わせる方針。3年連続の安藤か、それとも初の岩田か。宜野座や安芸で両輪が激しい火花を散らし合う。虎投のガチンコバトルからも目が離せなくなってきた。

 [2010年1月27日11時59分

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