日本ハムのキャンプ地問題が、再燃する可能性が出てきた。春季キャンプを行っている沖縄・名護市の市長選挙で、12年をメドに新球場建設を約束していた現職の島袋吉和氏(63)が落選。建設計画自体が白紙に戻る懸念も浮上。藤井純一球団社長(60)ら球団幹部は、稲嶺進新市長(64)を訪れ、今後の方針や説明を求めるつもりだ。

 米軍基地移転の問題で注目を集める沖縄から、約2500キロ離れた北海道でも、別の問題が持ち上がっていた。24日に投開票が行われた名護市長選で、新球場建設を公言していた現職が落選。「(新聞やテレビで)新市長の話を聞いていると(球場建設の計画自体が)どうなるかわからない。ごあいさつもあるし、直接話を聞きます」。球団幹部は2月のキャンプ開始早々にも、新市長を訪ねる考えを明かした。

 練習環境の改善は数年前からの課題だった。メーンの名護市営球場は老朽化が著しく、08年のキャンプ直前の自主トレでは、金森が外野芝生でのランニング中に、朽ちて地面に落下していたフェンスの金属片を踏み左足首をねんざ。ほぼ1年間、棒に振った経緯もある。島袋氏は、現球場から北西約1キロに位置する海沿いの宇茂佐(うむさ)地区の市有地に、一部を埋め立てて新球場を建設するプランを進めていた。「野球場とサブグラウンド、陸上競技場。将来的にはマリーナもつくりたい」と総合運動施設にする計画だった。

 財政が厳しい名護市だけに、新球場の建設計画は、辺野古地区への米軍基地受け入れに伴う国からの補助金に頼るところも大きかった。しかし、当選した稲嶺氏は基地移設に反対の姿勢で、新球場計画自体が頓挫する可能性もある。環境が変わらなければ、再びキャンプ地変更も視野に入れた問題に発展する。目前に迫ったキャンプイン。選手だけでなく、球団首脳にとっても、大事な時期になりそうだ。【本間翼】

 [2010年1月28日11時7分

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