フォッサムが甲子園を変える。甲子園球場が阪神新外国人のケーシー・フォッサム投手(32=カブス)の武器である遅球の速度を、電光板でスピードガン表示させることを検討していることが28日、分かった。27日の来日会見で、自慢の縦割れカーブが最も遅い場合で69キロと明言。現状の甲子園のシステムでは、超スローボールの球速は表示されないため、フォッサム仕様への変更を検討する。

 米国で「フォッサム・フリップ」と称され、ファンも速度表示を楽しみにしていた売りの遅球を、甲子園で実感してもらうのも1つのファンサービス。鈴木康弘球場長代理は「球団とも相談しながら前向きに検討したい」と明かした。

 甲子園の速度表示は現在、プロ野球で95キロ以上、高校野球で85キロ以上と機器のプログラムを設定。設定値を低くするほど、返球やボール交換、キャッチボールなどの動きにも反応し、“不要物”の速度を表示する可能性が高まる。そのためプロでは94キロ以下は、たとえ実際の投球であっても表示されない仕組みだ。

 だが同球場長代理は「設定値を下げれば遅いボールも拾えます」と明かす。ちびっ子が登板するスピードガンコンテストなどでは設定値を下げ、実際に50キロや60キロといった球速が表示されている。つまりフォッサム登板時のみ、設定値を下げることも可能。まさかの69キロを表示することも可能というわけだ。

 測定機器の設置場所の関係で、特に左腕は右腕に比べて2、3キロ遅く表示される傾向にあるとされる。これが69キロを更新する追い風にもなり、ファンは生でその瞬間を目撃できるかもしれない。

 [2010年1月29日11時33分

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