日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が、スロー調整からシフトチェンジした。29日、春季キャンプ前の総仕上げとなる沖縄・名護での自主トレをスタートさせたが、いきなり昨年11月の日本シリーズ第2戦以来となる本格投球。4年連続開幕投手を狙うエースが調整ペースを一気に上げた。

 同僚がキャッチボールを行う横で、ダルビッシュはただ1人、外野へ歩を進めた。「これで50メートルくらいですか」。距離を確かめながら遠投を開始。肩をあたためると、目の色が変わった。ブルペンでスライダーやカーブなどを交え40球を投げた後、今オフ初めて捕手を座らせて15球を投げ込んだ。昨年11月の日本シリーズ第2戦以来となる本格投球に「予定通り。まあまあです」と、納得の表情を浮かべていた。

 昨シーズン終盤は左臀部(でんぶ)痛などで戦線を離脱し、日本シリーズ登板後には右手人さし指の骨折が判明。今オフは状態回復を最優先に年内はノースローを貫き、珍しく完全休養日もつくった。ここまでの自主トレで行った3度のブルペン入りも、すべて立ち投げだった。

 だがキャンプ地に入ってギアは変わった。福島トレーナーも「『全く問題ない』と本人も言っていた。今後の調整も本人次第なので任せています」と話した。ダルビッシュは「次はキャンプ初日まで(ブルペンに)入りません」とペース配分する意向だが、沖縄でエースが本気モードに突入した。

 [2010年1月30日8時26分

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