ノーモア・メンチ!

 阪神真弓明信監督(56)が新戦力マット・マートン外野手(28=ロッキーズ)に「成功ノルマ」を課した。30日に空路でキャンプ地の沖縄入り。ポスト赤星の最有力候補である新外国人に早く結果を残すようにゲキを飛ばした。「オープン戦の後半ぐらいから、しっかりと力を発揮できるようになれば、開幕からうまく滑り出してくれるはず」。開幕前の調整の場でも、数字を求める姿勢を見せた。

 マートンにプレッシャーを与えるつもり考えはない。むしろ、その逆。去年のメンチが反面教師だ。「技術的な部分よりも精神面が大きかった。オープン戦でも、なかなか打てなかったし…」。メンチはオープン戦15試合に出場し、打率1割4分3厘と低迷。阪神は特に周囲の目も厳しく、メンタル面で追い込まれやすい環境にある。結局、調子が上がることなく、シーズン途中で戦力外扱いとなった。オープン戦から結果を残せば、気持ちよく開幕を迎えられるということだ。

 キャンプ早々にレギュラーが確約されたメンチとは対照的に、マートンに対しては、競争の舞台も設定する。センターの守備位置には、浅井や柴田、ルーキーの藤川俊とフレッシュな陣容を並べる考えだ。「去年もメンチの代わりに、成績を上げる選手がいたら、早く代えた可能性があった」と振り返る。重要なセンターラインを任せるだけに、指揮官はシビアな目を光らせながら、戦力の整備に取りかかる。

 [2010年1月31日12時31分

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