巨人原辰徳監督(51)が1月31日、1日から始まる宮崎キャンプが激しいサバイバル戦であることを改めて強調した。スローガンに「原点」を掲げたキャンプ前日のミーティングで「目的は勝つこと、日本一です」と日本一連覇を宣言。チーム内のポジション争いについては「70、80点ぐらいの選手の競争が激しい。活気のあるキャンプになると思う」とあおった。日本一連覇、リーグ4連覇を目指すナインが、宮崎サバイバルキャンプでしのぎを削る。

 過去の栄光など、もう心に残っていなかった。盛大なパレードの後に行われた全体ミーティング。原監督の言葉は厳しさに満ちていた。「結果だけなら昨年以上のものはありません。しかしラミレスにしても小笠原にしても阿部にしても、素晴らしい成績だったがそれぞれが100%満足したかというと、反省もあったはずです。勝ったという結果の上にあぐらをかいていては前に進むことはできません」。あえて主力選手の実名を出してまで新たなシーズン、新たな戦いの始まりであることを強調した。

 スローガンに掲げた「原点」こそが、サバイバルキャンプの象徴だ。今季のレギュラーとして明言しているのは阿部、小笠原、ラミレスの3人だけ。チームづくりの基本に立ち返り、激しいポジション争いから強力な戦闘集団を作り直す。「チームというものを意識しない選手は勝ち残っていけないと思う。今までで1番厳しい?

 そう思います」と語気を強めた。

 激戦必至なのは6人で臨む先発ローテーションと外野手だ。ゴンザレス、内海、グライシンガーら5投手が有力な中、残り1枠で若手が争奪戦をくり広げる。外野手も左翼ラミレスに続き昨年の実績から亀井、松本が有力。そこに谷、鈴木、ルーキー長野久義(25=ホンダ)、腰痛からの復活を目指す高橋が奪取を狙い続ける。「(今年は)ゲームを多く入れていますので、我々も(レギュラーの)見極めが分かりやすい」と指揮官が言うように、開幕前の実戦すべてがたたき台となる。

 勝つことが大前提の中で始まる10年シーズン。油断とすきを見せれば、ライバルにつけこまれる。「1人1人が巨人の歴史をつくる、チームを動かすという意識を持ってやってほしい。目的は勝つこと。日本一です」。原巨人が例年以上の厳しさを持って、新シーズンのスタートを切る。【小松正明】

 [2010年2月1日8時47分

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