西武のドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)が1月31日、持ち前のいじられキャラ全開?

 で宮崎入りした。ナインとともにキャンプ地に空路移動。宮崎空港のセレモニーでは、約1500人の熱烈歓迎を受けた。人生初のスーツを着用し、ブランドもので決めたに見えたが、ベルトを忘れてしまう痛恨のミス。曲がったネクタイを中島と涌井に注意されるなど、ドジな一面が逆に奏功して、チームの和に溶け込んだ。

 スーツでビシッと決めたつもりの雄星だったが、憎めないキャラぶりは健在だった。約1500人が詰め掛けた宮崎空港の歓迎セレモニー。「雄星くーん ! 」と黄色い歓声が飛ぶ壇上で、ネクタイが曲がっているのを中島と涌井に慌てて直される。高校ではブレザーだったが、初めて着るスーツには出発前から悪戦苦闘。慣れているはずのネクタイの締め方に戸惑い、ドラフト5位松下建太投手(22=早大)に手伝ってもらい「(スーツは)人生初ですよ。見ての通りです」と苦笑いするしかなかった。

 キャンプインを前に、バッチリ決めてきた。球団指定のスーツ以外を1月30日に「自分の中のファッションリーダー」と呼ぶ松下のアドバイスを受けて新宿で買いそろえた。球団から支給されたスーツ(NEWYORKER)にポールスミスのシャツ(約2万円)、ルイ・ヴィトンのネクタイ(約2万円)、リーガルの革靴(約2万円)、高島屋で買ったキャリーバッグが約5万円と、ブランドものがズラリ。出発前には4000円で散髪した。しめて約11万4000円の「大人買い」でトータルコーディネート。おしゃれに無頓着と言われてきたが「奮発しましたね。3万円しか持っていかなかったので、途中でお金をおろして買いました」と支度金で準備した。

 ただ、ブランドもので身を固めても、やはりそこは高校生。新しいベルトも買っていたが、つけてくるのを忘れ「見つかったらマズイです。だから必死に隠してるんですよ」とスーツの前ボタンを締めて大きな体を縮めた。「先輩方には高校の時のようにいじってもらえれば」というイジられキャラが全開。羽田空港の飛行機までの移動バスでは、目の前に座る中村の隣の席だけ空いていたが「先輩が立っているので」と立っていた。バス内は満席状態で、片岡や中村に「早く座れよ」と冗談で格好の標的にされた。そうそうたるメンバーとの移動に緊張気味だったが「かわいがってもらって、ありがたいです」と明るいチームの輪にスムーズに溶け込み始めた。

 2月1日、キャンプが始まる。発売開始して間もない工藤の著書「限界を作らない生き方

 2009年、46歳のシーズン」を買って持ち込み、準備万端。「紅白戦、オープン戦でピッチングの機会は多いと思うので結果を出したい。日本一奪還に貢献したいです」と力強く意気込みを口にした。「昨年の3~4倍の人出だった」(ライオンズ南郷協力会)という空港セレモニーなど、初上陸の九州でも人気は健在。“雄星フィーバー・イン南郷”の幕が上がった。【亀山泰宏】

 [2010年2月1日8時47分

 紙面から]ソーシャルブックマーク