ヤクルトのドラフト1位、中沢雅人投手(24=トヨタ自動車)が1日、大器の片りんを見せた。キャンプ初日、即戦力として期待される左腕は捕手を座らせて48球のブルペン投球。「緊張して制球が定まりませんでした」と苦笑いを浮かべたが、時には笑顔も見せる、落ち着いたマウンドさばきに、捕手の後ろで見守った高田監督が「マイペースというか、余裕がある感じ」と感心するほどだった。

 荒木投手コーチから「特に若い投手は投げ込むのが最低限必要」と、キャンプ中の1000球のノルマを課せられた。それでも、「焦って自分の(調整)段階を飛ばすことのないようにやっていきたい」と冷静だ。古巣のトヨタ自動車は米国で大規模リコール(回収・無料修理)に揺れている。「自分が活躍して、少しでも勇気を与えられたらいい」。開幕1軍へ、ひたむきに突き進む。【由本裕貴】

 [2010年2月2日8時39分

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