日本ハム中田翔内野手(20)が1日、個別の外野守備練習あり、ロングティーの特打ありと、キャンプ初日から精力的に動いた。どちらもコーチに志願して行ったものと、1月31日の宣言通り、高い意欲をみせた。「毎日集中して、こういう練習ができればいい。今年のオレはひと味違うよ」と不敵な笑みを浮かべた。

 ただ本人の威勢のよさとは裏腹に、周囲の反応はいまひとつだった。今季から挑戦する外野守備では、後方への打球の追い方など基本中の基本からスタートしたが、指導した清水外野守備走塁コーチからは「まだ高校生、アマチュアだね」と酷評された。

 さらにその様子を見たダルビッシュからは「持っているものだけいいヤツはいくらいでもいる。試合で出すには精神力が必要。そろそろやってもらわないと」と厳しいツッコミが入った。だがそれで終わらないのが今年の中田。兄貴分からの言葉を伝え聞くと「言われなくてもやりますよ」とひと言。初めて強気に“反攻”してみせた。

 柵越え連発のような派手さこそないが、野球に真剣に取り組んでいることは事実だ。ブルペンを中心に視察していたため、野手組を見る機会の少なかった梨田監督からも「動けていたと思うよ」と評された。1軍定着が求められる勝負の3年目。「やるしかない。今年は試合に出たいし、そうじゃないと教えてもらっている人にも失礼。今年のキャンプは(コーチに)どんどん聞いていって、自分のものにしたい」。定位置奪取へ、今年の中田は大マジだ。【本間翼】

 [2010年2月2日9時32分

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