球春到来!

 キング・ジョーがいきなりブルペン改革!!

 阪神に新加入した城島健司捕手(33)が1日、沖縄キャンプで始動した。早出の筋力強化以外はメニュー表に「城島」の名前が記載されない異例のフリー特権を与えられた。初日からブルペンに入って安藤、能見、上園のボールを捕球。投球終了後は忌憚(きたん)なく1人1人にアドバイスを送るなど、強烈な存在感とオーラを漂わせた。

 城島が照れ笑いした。阪神のユニホームを着て臨んだキャンプ初日。「初めて違うユニホームを着ることは特別なこと。鏡の前で何度かチェックしながら似合っているかなあと。ルーキーのような気持ちで袖を通した。似合わんすね。似合ってくるような選手にならないと」と口にした。33歳の新人。本人はそう表現したが、実際の存在感、与えられた権限はチームの司令塔にふさわしい、キング級だった。

 メジャー流の1時間前に球場入り。全体練習では異例のフリー特権を与えられた。メニュー表に「城島」の名前はなかった。阪神では別メニュー組でも名前と練習が記されるが、城島の文字は欄外の「早朝ウエートトレーニング」だけ。1月31日に「全体から離れてお願いします」と要望。和田打撃コーチは「本人の調整を尊重した」と説明。第1クールはメニュー表に縛られず、完全自己流調整となった。

 「自由」を得て向かった先はブルペンだ。アップ終了後に直行し、安藤のボールを受けた。初日に3・26開幕バッテリー候補のコンビが実現。さらに能見、上園のボールも受けた。緊張した上園には「遠慮するな」「投げている時は謝らんでいいって」と励ました。投球が終わると投手に歩み寄って意見交換。捕手の立場から、エース格の安藤にも、初日からズバズバ提言。気がついた技術的なアドバイスまで伝えた。

 「球筋と球種の確認。僕が感じた順番(球の優先順位)と投手が感じている順番が違うと大問題なので。バッテリーは組めば組むほど味が出る。最初の確認です」。最後は習慣にしているノートにメモを書きつけた。「頭に入れるため。同じことを投手に聞くのは失礼。受ける以上はベテランであろうと若手であろうと同じだから」。その後は志願の捕球特訓でズボンを泥だらけにした。

 初日から積極的に動いた城島。アグレッシブな言動はすべて勝利のためだ。「選手、ベテランの方々が勝ちたい、勝たないといけないと口をそろえている。僕が刺激になって、もっと欲が出てくるチームになりたい。お互いにそういうことを言った以上はやらないといけない」。金本、新井ら大物ぞろいのチームでも際立つ存在感を見せつつ、世界を知る男が目指す「ブルペン改革」に大きな一歩を踏み出した。

 [2010年2月2日11時49分

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