阪神鳥谷敬内野手(28)が、3割&30発打法完成をアピールした。全体練習後の特打で106スイングして、今キャンプチーム最多となる23本の柵越えを披露。軽々とスタンドに運ぶ姿は、マートンやブラゼルらも顔負けの貫禄(かんろく)だ。パワーアップした上に、ほとんど打ち損じもない。見守った和田打撃コーチも「もう出来上がってるバッティング」と絶賛する赤丸成長だ。

 「腰を回すことを意識してやってます。(キャンプの)最初としてはそこそこ振れる所まで来てますね」。本人も手応え十分な変身ポイントは、腰をクルリと回す回転打法にある。昨年前半はスタンス幅も広く、上半身の力に頼る打撃で打率2割5分2厘、7本塁打、36打点に終わった。だが後半から、スタンスを狭めて下半身の軸を意識した現在の打法に変え打率3割3分3厘、13本塁打、39打点。その打法を完全習得すべく、昨オフから精進してきた成果が、形として表れた。

 和田打撃コーチは「後半これというものを作り上げてシーズンを終わってるからね。低めも打てててより確実性が上がってる。3割2、3分打ってほしい。去年は20発だけど率も上がれば、そっちも上がっていく」と目を細めた。

 「今はしっかり振ることを考えてます。ここまではケガなくこれたんで十分ですかね」。選手会長で迎えた初のキャンプは、充実の第1クール終了となった。3番構想を抱く真弓監督は「30本ぐらい狙える」と期待し、本人も「今季の目標は3割&フルイニング出場」と言い切る。7年目の今季、ニュー鳥谷に大ブレークの予感が漂う。

 [2010年2月5日11時28分

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