ソフトバンクの新外国人の李■浩(イ・ボムホ)内野手(28=ハンファ)が、7日から若手中心のアーリーワークでの特打に参加することが6日、決定した。第2クール初日の6日、5年目右腕の藤岡好明投手(24)が打撃投手を務めたフリー打撃で18スイング中ヒット性の打球は1本。直球に差し込まれファウルを連発した。首脳陣は調子の上がらない助っ人に早出特打参加を勧め本人も了承。一方、三塁手のライバル松田宣浩内野手(26)は16スイングで2発の柵越え。韓国160発男の尻に火がつき始めた。

 「韓国の大砲」はこの日も、鳴りを潜めたままだった。5年目右腕の藤岡が投手を務めたフリー打撃。李の打球は、ほとんど前に飛ばなかった。直球に差し込まれた打球は、次々と打撃ケージのネットに当たり打席付近にポトリ。途中6スイング連続ファウルを挟むなど、似たようなファウルが計11球。結局18スイング中ヒット性の打球は、右翼へライナーで放った1本だけだった。「(今日は)生きた球を見られてよかった。状態は上がってきている」。打撃後、通訳を通し、コメントした李の顔に笑顔はなかった。

 この時期は投手陣の方が仕上がりが早く、若手投手がアピールのため力強い球を投げ込んでくることも事実。しかしライバルである松田はこの日のフリー打撃で、同じく5年目右腕の甲藤から2発のアーチを放った。第1クールでも、三塁の守備で松田との差を見せつけられた。自慢の打撃で挽回(ばんかい)したいところだっただけに、表情も曇りっぱなしだった。

 多くを語らない首脳陣だが、現状の評価を表すかのような、早出特打“指令”も出た。李は7日から若手中心のアーリーワークに参加することが決定した。午前8時過ぎから、全体練習前に行われる若手中心の練習。外国人が参加することは極めて異例だが、第2クールに入っても一向に状態が上がってこない助っ人に対し打ち込みを求め、本人も了承した。秋山監督は「どんどん振っていかないとね」といち早い本領発揮を望んだ。

 この日は土曜日だったこともあり、キャンプ地には1万2000人以上のファンが詰めかけた。李も練習後にサイン会を開いた。「日本のキャンプはお祭りみたいで雰囲気がいい」と通訳に話したという。まだキャンプ序盤とはいえ、今季の開幕まではあと1カ月半を切った。一塁守備など新たに取り組まねばならないメニューも多い。韓国160発の肩書に一向にそぐわぬ打撃が何より心配だ。※■は木へんに凡

 [2010年2月7日11時52分

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