フォッサムは先発!

 先発か中継ぎ起用かで注目されていた阪神の新助っ人左腕ケーシー・フォッサム投手(32=カブス)が、先発調整を進める方向であることが6日、分かった。この日は宜野座球場でキャンプ初のブルペン入り。米国では珍しい、大きく振りかぶるワインドアップ投法を披露した。このフォームはかつてメジャーでノーヒットノーランを4度記録した伝説の左腕、元ドジャースのサンディ・コーファックスがモデル。大投手の魂を受け継ぎ、虎に左腕王国を作る。

 フォッサムが先発左腕として虎を支える。中継ぎも含めて起用法に注目が集まっていたが、阪神はジェフ・ウィリアムス投手(37)が退団したとはいえ、中継ぎ左腕に江草仁貴投手(29)、筒井和也投手(28)が待機。久保、山口両投手コーチは、フォッサムは先発で能力を発揮できるという意見で合致し、先発調整を進める方向だ。

 メジャー通算237試合で先発登板は120試合。最近は主に中継ぎ起用されていたが、ローテ経験も十分ある。デビルレイズ(当時)所属の05年から、ローテ投手として3年連続で20試合以上に先発&100イニング超えを記録。本人も「できることなら先発で投げたい」と志願している。

 この日はキャンプ初のブルペン入り。元メジャーリーガーでは珍しいダイナミックなフォームを披露した。まずはセットポジションでマウンドの傾斜、日米のボールの違いをチェック。捕手を座らせて38球目からワインドアップをスタートさせた。全身を1度沈み込ませ、大きく勢いよく振りかぶった。

 「日本式のフォームに似ているかもね。ボストン(レッドソックス)時代に『もっとコンパクトに』と直されそうになったけど、体全体を使いたいんだ」。カーブ、ツーシームなどを交えて計44球。最遅69キロの超スローカーブ「フォッサム・フリップ」も4球投じたが、それ以上に迫力あるフォームが注目を浴びた。

 「子供のころ、サンディ・コーファックスの投球をビデオで見て父にこう投げろと教わった。彼は最高の左投手だから」。同投手は50年、60年代にドジャースで大活躍。メジャー12年間で165勝。サイ・ヤング賞を3回、完全試合1回を含む4度のノーヒットノーランを達成した伝説の男だ。そのフォームをモデルとし、メジャー40勝を達成。もちろん、甲子園でもスタイルは変えない。

 真弓監督は「体が恵まれている方じゃない(185センチ、72キロ)から、体を全部使ってピッチングをするんだろうね」と納得。8日もブルペン入りし、フリー打撃登板を経て実戦に入る予定だ。調整登板の内容次第で中継ぎに回る可能性もあるが、まずは先発として期待される。

 [2010年2月7日11時32分

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