ヤクルト「デラちゃん」はオビちゃん以上
最速102マイル(約164キロ)の「カリブの怪人」が早くもベールを脱いだ。ヤクルトの新外国人エウロ・デラクルス投手(25=パドレス)が7日、沖縄・浦添キャンプに合流。長距離移動による疲労の不安を一掃し、いきなりのブルペン入り。140キロ台後半の自慢の速球を披露した。偵察に訪れた巨人田畑一也スコアラーは「オビスポ以上」と警戒警報を鳴らした。
巨体から、伸びのある直球が放たれる。捕手を座らせ、デラクルスはゆったりとしたフォームから50球を投げ込んだ。3週間ぶりというブルペン投球に、速球は構えたミットの位置を大きく外れ、チェンジアップはワンバウンドする。それでも速球が低めに決まると、乾いたミットの音がブルペンに鳴り響いた。その瞬間、苦笑いの高田監督や荒木投手コーチの表情も変わった。終了後は律義に帽子を取って頭を下げ、白い歯ものぞかせた。
「疲れがあってボールが行かなかったけど、ブルペンに入れたのは良かった」とうなずいた。1月下旬の来日の予定が、ハイチ大地震の影響で米国を経由する際の査証手続きに手間取り、前日6日の午後にようやく沖縄入りした。母国ドミニカ共和国からフランス経由による約33時間の長旅もあり「今日は60%の力」と話したが、ボールを受けた2年目捕手の中村は「あれで60%ですか? 140キロ中盤から後半は出ていた」と証言。あいさつ代わりに驚異の身体能力を披露した。
視察に訪れた巨人田畑一也スコアラーをうならせた。巨人では昨季、同国出身のオビスポがブレーク。「迫力があるというか、威圧感がある。(オビスポは)最初はキャッチボールもひどかった。そういう意味では期待できるんじゃないか」と警戒した。
102マイル(約164キロ)を計測したことがある期待の新戦力。1月、同国でのウインターリーグでも99マイル(約159キロ)をたたき出した。長いリリーフ経験から、この日はセットポジションからの投球だったが、首脳陣が期待する先発の働きに備えてワインドアップの復活にも取り組む。「ここに来たからには、ボールを持ってマウンドに登って、勝つことしか頭にありません」。「怪人」が徐々にギアを上げていく。【由本裕貴】
[2010年2月8日8時32分 紙面から]
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