ソフトバンク中西健太外野手(23)が、レギュラー奪取へ強力アピールだ。大隣が投手を務めたフリー打撃で柵越え2発。「真っすぐと分かっている中ででしたけど、いいスイングはできたと思う」。若手投手が相手のフリー打撃で複数アーチを放ったのは、8人の中で中西だけ。紅白戦などの実戦開始に先駆け、いち早いアピールに成功した。

 同じ過ちは繰り返さない。昨季も春先は好調だった。オープン戦では打率3割6分6厘をマークし、初の開幕スタメンの座をつかんだ。しかしその後は不振を極め1、2軍を行き来。結局29試合の出場で打率1割2分5厘に終わった。「悔しかった。けど失敗は失敗として受け入れて、次に生かさないと意味がない」。

 オフは師と仰ぐ阪神城島と自主トレを行った。「下半身だけは、しっかり鍛えておけ」と助言をもらった。宮崎キャンプでも下半身強化メニューを昨季までより多く取り入れている。「(昨季は)シーズン中に下半身の力が落ちた。今年は絶対にそうならないようにする」。長谷川、オーティズ、多村、柴原など外野にライバルはひしめくが、誰にも負けるつもりはない。この日の2発の宣戦布告弾が、その証しだ。【倉成孝史】

 [2010年2月8日12時27分

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