西武ドラフト1位ルーキー菊池雄星投手(18=花巻東)に、石井一久投手(36)が緊急提言した。卒業試験を控えた雄星は8日、チームとは別に練習後、宮崎・南郷キャンプを離れ空路で岩手に帰省した。移動があるため、全体練習が始まる午前10時前には室内ブルペンへ。3日連続となる投球練習は106球を投げ込んだが、顔をしかめて「あ~っ」と言う場面が何度かあった。納得のいくボールがいかないことへの不満だった。

 フォームの確認を重視するあまり、力を緩めて投球する場面が目立つ。首脳陣をヤキモキさせている点を、19年目の石井一が代弁するように言った。がむしゃらに腕を振る快速球で注目された自らの高卒入団時(ヤクルト)を思い出しながら「練習から強く投げないと、修正点も出てこない。弱いフォームは、弱いボールしか生まない。知識って怖い」と持論を展開。野球を勉強しすぎるがゆえ、考えて悩む傾向が強いルーキーへのアドバイスだった。

 「花巻でフォーム固めをして、少しでも進化して、完成した状態で宮崎に戻ってきたい」と雄星。渡辺監督は「練習は自分で率先してやるだろうから、1日くらい休んでリフレッシュしてこい」と出発前に伝えた。故郷で充電し、原点にかえって躍動感あふれる投球を取り戻す。【柴田猛夫】

 [2010年2月9日8時58分

 紙面から]ソーシャルブックマーク