あるぞ2・13“開幕投手”!!

 阪神ドラフト1位の二神一人投手(22=法大)が1軍キャンプ第2クール4日目の9日、沖縄・宜野座球場でシート打撃に登板した。打者6人から落差のある縦割りスライダーで2奪三振の好投を見せた。主力の林と鳥谷も驚く伸びのある直球も披露した。首脳陣の期待の大きさを示すように10年チーム初戦、2月13日の日本ハム戦(練習試合=宜野座)で先発を任される可能性も浮上。厳しいローテ争いの中、期待の右腕が前進だ。

 浅井が、林が体勢を崩し、そのままバットをクルリ。南国の日差しに照らされながら、ルーキー二神がマウンド上で光り輝いた。

 二神

 実戦に近い形なので思いきり投げようと思った。大学時代から直球、スライダーが勝負球。追い込んでいたので、思い切って腕を振ったら良い高さに行ってくれました。

 前夜は法大の先輩にあたる安藤、浅井らと食事を共にした。充電完了で迎えた、初のシート打撃登板。緊張とは無縁のマウンドさばきを披露した。先頭の浅井を外角低めスライダーで空振り三振に仕留め、4人目の打者となった林には驚きすら与えた。

 林

 低いと思ったら伸びてきた。

 カウント0-1からの2球目。外角低めの直球にバットは動かない。コースぎりぎりいっぱいのストライク。打席で思わず首をひねり、背後で見守っていた久保コーチも驚きの顔を見せた。3日前のフリー打撃では1発を食らった相手。“因縁”の打者を最後は内角低めのスライダーで空振り三振に斬り、リベンジも果たした。

 打者6人18球で1安打投球は十分なデモンストレーション。最後に初球をとらえ一、二塁間を破った3番候補も舌を巻いた。球速以上の伸びを実感していた。

 鳥谷

 (マウンドから)距離が近く感じる。球離れが遅いのかな。

 大学の所用もあり、29日から合同自主トレに参加した。大先輩に囲まれての1軍キャンプも第2クールが終了。すでにブルペンで約400球を投げ込み「疲れはある」。そんな状況下で持てる力を最大限発揮した。直球は最速144キロを記録。本人も納得の表情を浮かべた。

 二神

 球持ちの良いストレートの質にこだわりたいけど、この時期なら(球速が)速い方ですね。鳥谷さんにもしっかり引っ張られたし、自分の未熟さを感じた。(試合では)できるだけの準備をして自分のパフォーマンスを出したい。

 反省の言葉も口にしたが、そもそも登板予定だったチーム初実戦、2・13日本ハム戦で先発を務める可能性も出てきた。06年の能見、07年の久保田、08、09年の岩田の例でも分かるように、阪神で、この「開幕」を任されることは、シーズン中の戦力と直結するほどの高い期待感を表す。

 もちろん杉山、蕭一傑らライバルはいる。それでも、ローテーション候補として、その力を見たい、と周囲に思わすほど、二神株がグッと上昇した。

 [2010年2月10日11時48分

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