阪神城島健司捕手(33)が、3月3日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)で実戦デビューすることが濃厚となった。沖縄・宜野座キャンプ休日だった10日、真弓明信監督(56)が「順調にいけば、札幌ドームから出られる」と明言したもの。くしくも同カードでは、阪神OBの故小林繁氏(享年57)の追悼セレモニーが行われることが決定。名投手をしのぶ一戦が城島の初舞台になる。阪神は11日から第3クールに突入する。

 城島が北の大地でデビューする可能性が高まった。真弓監督がオープン戦出場のメドに触れ、3月3日の日本ハム戦を挙げた。「順調にいけば、札幌ドームの試合から出られるだろう」。2月27日のオリックス戦(安芸)も候補のひとつだったが、同月中の実戦は見送る方向になった。キャンプ終了後に帰阪。その直後から始まる札幌遠征から、城島が戦闘モードに突入する。

 くしくも、3日の同カードで阪神OBの小林繁氏の追悼セレモニーが行われることがこの日、日本ハムから発表された。経緯は違えど、脂が乗った時期に他球団から移籍するという同じ境遇にある。真弓監督は「協力できることはしたい」と、日本ハムとともに追悼試合を行う。決して名前があるから城島を起用するのではない。あくまで調整の一環として、タイミングが合致した。天国の名投手をしのぶ一戦で、最高の役者が登場する。

 日本ハムもエースのダルビッシュが登板する可能性がある。2連覇を飾った昨春のWBCでバッテリーを組んだ最高のコンビが、いきなり敵と味方に別れて、対戦する。ファンにとっては、たまらないシーンが見られるかもしれない。真弓監督は「勝負に行くんだから、勝ちにこだわるのが大前提」とオープン戦でも必勝を期す構えだ。投手陣の把握とともに、城島がいかに勝利のリードを見せるかも注目だ。

 この日の城島は、趣味の釣りでリフレッシュした模様。オンとオフの切り替えをきっちりとすませ、第3クールに臨む。これまでの調整は順調そのものだ。ブルペンに精力的に入り、フォッサムら一部をのぞき、ほとんどの投手の球を受けた。打撃面では打撃ポイントを確認しながら、慎重に段階を踏んで、フォーム固めに取り組んでいる。宜野座キャンプでは最終となる第4クールでは、豪快なフリー打撃を見せることを明言。真弓阪神の命運を握る男が3・3デビューに向け、万全の態勢を整えていく。

 [2010年2月11日11時13分

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