広島野村謙二郎監督(43)が12日、球団では異例の1、2軍合同キャンプを実施することを決めた。この日、チームは沖縄から2次キャンプ地の宮崎・日南入り。コーチ会議後、指揮官は自らの発案で、これまでの流れをいったんリセットし、同時に1、2軍選手に刺激を与えるために、13日限定で合同練習する方針を明かした。実戦練習に入る2次キャンプでは、選手の入れ替えも含めて活性化を図っていく。

 野村監督の狙いは明白だった。日南入りして夕方から行われたコーチ会議は約1時間に及んだ。13日は1、2軍合同キャンプを実施。広島では異例の取り組みとなるが、指揮官はその目的を明かした。

 「1軍と2軍でそれぞれがやってきた練習を、一緒にやることで互いに刺激したい。これまで約10日間、キャンプでやってきて疲れもあるだろうし、メニューも把握できた中で、原点に返ろうというのが目的です」。

 2月1日から始まったキャンプをいったんリセット。守備、走塁など実戦的な練習に再び全力で取り組んでいくため、仕切り直しする。一方で「2軍から上へ行く選手がいるかも知れないし、逆に下に行く選手がいるかもしれない。明日は緊張感が張り詰めた1日になるのでは」と今後の1、2軍の選手入れ替えも視野に入れての合同練習であることを隠さなかった。

 この日のスタッフミーティングでも、1日から日南で行われている2軍キャンプで目立った選手が1軍に推薦されたという。合同練習では2軍から青木勇、宮崎、ソリアーノらに加え、2年目の中田やドラフト3位右腕・武内久士(22=法大)伊東もブルペン入りする予定。大野ヘッド兼投手コーチが直接その目で現在のコンディションなどを確かめる。野手のフィールディングなどには、野村監督が厳しくチェックを入れる見込みだ。

 指揮官は「オレはこれだけやってきたんだ、というのを言葉でなく行動で見せてもらいたい。2軍の選手はモチベーションを上げてもらわないと困る」と奮起をうながした。選手も敏感に反応。2軍スタートだった3年目松山は「打撃が良くなっているので、アピールしたいです」と意気込んだ。

 昨季、ウエスタン・リーグで最下位に終わった2軍の強化も、野村カープが重視するポイント。2軍の底上げには1軍昇格を意識させることが有効だ。14日以降にも、新人ら若手選手を1軍に“体験昇格”させて刺激を与えることも検討している。合同練習でリセットし、14日から3度にわたる紅白戦や練習試合など実戦練習を積み重ねる。刺激をエキスに加え、開幕に向けて、いよいよ総仕上げに入る。【高垣

 誠】

 [2010年2月13日10時50分

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