将来のエース候補が早くも先発ローテに殴り込みだ!

 中日伊藤準規投手(19)が13日、今季初の実戦となった三星(韓国)との練習試合で“開幕投手”を務め、3回を4奪三振でゼロ封した。現在はフォームを修正中ながら、初回には3者連続で空振り三振を奪うなど、潜在能力の高さを見せつけた。2年目右腕は「すぐに結果が出て良かった」と、目標の先発ローテ入りに向けて、大きな1歩を踏み出した。

 圧巻の奪三振ショーだった。三星打線のバットが次々に空を切る。今年最初の対外試合で、2年目の伊藤が仕上がりの早い韓国のプロ球団を堂々とねじ伏せた。3回を投げて許したヒットは2本、4奪三振。無四球で球数も36球と、先発ローテ入りに向けて文句なしの船出だ。

 「今はフォームを直そうとしているところ。それですぐに結果が出て良かったです。下半身をしっかり使うことを心がけました」

 初回だった。先頭打者には初球の直球を右前に運ばれたが、2番打者を外角低めへのスライダーで空振り三振にきると、続く3、4番の主軸もチェンジアップとカーブで仕留め、3者連続空振り三振。スタンドからは自然と拍手がわきおこった。

 キャンプ第2クールに入り、より力が伝わるようにとフォームに手を加えた。「去年までは止まるようなフォームでしたが、今年は流れるようなフォームにしています。今は直している段階なので、スピードはまだこれからですね」。理想のフォームはまだ完成しておらず、この日は自己最速の153キロよりも12キロ遅い141キロだったが、直球にカーブ、フォークなどの多彩な変化球を交え、アウトを重ねた。

 二人三脚でフォーム修正に取り組んできた森ヘッドコーチは「またどうせ悪くなるよ。1軍で練習したこともないやつが、いきなりできるわけがない。体もバリバリ(張っている)だろう」と言いながら、「結果はよかったんじゃないの」と合格点を与えた。対戦した三星の落合英二投手コーチ(元中日)も「(抑えたのは)フォークとカーブが良かったから」と評価。森ヘッドは「誰か悪いのいたか?

 抑えてるだろ」と、次の段階へのステップアップを認めた。

 10日のシート打撃では17人と対戦し、安打性の当たりが10本と打ち込まれた。まだまだ波はあるが、目標とする開幕ローテ入りに向け、上々の好発進だ。「やっぱりそれを目指してやっていますから。これから結果を出していきたいと思っています」。さわやかな笑顔はこの日も健在。高い目標に向かって進む期待の2年目右腕は、開幕ローテ入りへの第1歩を、沖縄の地でしっかりと踏み出した。【福岡吉央】

 [2010年2月14日10時20分

 紙面から]ソーシャルブックマーク