広島の新外国人ジャンカルロ・アルバラード投手(32=ドジャース3A)が16日の紅白戦で2回をパーフェクトに抑えた。2度目の登板での好投に大野豊ヘッド兼投手コーチ(54)も「先発で考えている」と先発ローテーション入りに太鼓判を押した。今後は投球回数を増やし、先発枠の確定を目指す。

 アルバラードのボールは踊る。ストレートと見えてその実、少しだけ動く。白組の先発で、早くも2度目の紅白戦登板。2イニングを完全に封じ、新助っ人投手としての実力を示した。捕球した倉は「全部ボールが動く。打ちにくいのでは。右でも左でも打者にはイヤなタイプでしょう。最速139キロ?

 いや、それ以上に見えましたよ。ボールにも力があった」と証言。

 上機嫌の右腕は「今日は調子が良かった。自分のしたい投球ができたね」と振り返った。持ち球をすべて駆使しながら、ふたつのポイントを意識したという。常に投手有利なカウントにすることと、球数を抑えることだ。実際、初回の先頭打者梵をすぐに追い込み、三振に切って取った。ボール球は2イニングでわずか3球。球数自体も16球の省エネ投法だった。

 調整では遠投を1、2日おきに行い、肩の強度を高めている。タオルを持ってシャドーピッチングをすることも多い。日本の野球に適応するため、現在猛勉強中でもある。日本のプロ野球を収めたビデオを熱心に観賞。コメントなどを説明してもらい、それをノートにとっている。「アルバ・ノート」で予習して「相手に研究される前に、こっちから相手を研究したいんだ」と不敵に笑う。

 アルバラードの好投に、これまで起用法を明確にしていなかった大野兼投手コーチも「先発で考えている」と初めて明言した。「体も切れていたし、両サイドに投げ分けられていた。バランスを崩すタイプじゃないし、本人も手応えを感じたんじゃないか」とし、今後は投球回数を伸ばして、先発ローテ入りのトレーニングを積む予定だ。

 アルバラード本人も「先発なら球数を増やして長いイニングを投げられるようにするよ」と意欲満々だ。助っ人右腕が先発入りすれば、カープ投手陣の層がまた厚くなる。【高垣

 誠】

 [2010年2月17日10時58分

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