巨人キラー阪神能見篤史投手(29)が、今季も宿敵を恐れさせた。キャンプ初のフリー打撃に登板。浅井と桜井相手に全球真っすぐを予告する投球で、55スイングで安打性11本に抑えた。左腕をしならせ、右打者の胸元をえぐって、力でねじ伏せた投球は力感たっぷり。巨人田畑スコアラーは「ボール球が少ないし、思った通り投げられている。去年が自信になってるのかな。第1クールからずっといい」と一層の警戒感を強めた。

 昨年自己最多の13勝(9敗)をマークしたが、うち4勝は巨人の重量打線を封じて勝ち取った。能見も「抑えられたことは自信になる。やっぱり倒したい気持ちは強い」と今季もお得意さんにするつもりでいる。その心意気をしっかりと示した敵前投球。巨人には、今季も“能見恐るべし”がインプットされたはずだ。

 もっとも左腕は「もっと打者と対戦して、その中で調子を上げていきたい」と、まだまだ仕上げ途中と強調した。

 ただし真っすぐ勝負については「浅井ごときに変化球を投げる必要はないんで」と冗談めかすと、一緒に車に乗り込んだ浅井が「球が軽いんや!」と1本の柵越えを負け惜しみで“自慢”するほど。岩田がピンチなら、より大きな役割を求められる。能見の自覚もたっぷりだ。

 [2010年2月18日11時48分

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