日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が4年連続の開幕投手へ向け、苦笑交じりの実戦スタートを切った。沖縄・名護キャンプ第4クール最終日の18日、韓国SK戦(名護)に先発。今キャンプ最低気温11度の寒さも影響し、2回3安打3四球の乱調で3失点を喫した。力をセーブして投げざるを得ない状況で、最速は144キロ止まり。「結果を求めてもしょうがない」と割り切れる第1歩だった。

 前夜の降雨でぬかるむマウンド。ダルビッシュがもがきながらも、47球を投げ切った。初回こそ無失点で切り抜けたが、2回には2安打に3四球で、一挙3失点。「ボールもいっていないし(ファンは)戸惑っていると思う。今年のダルビッシュは良くない、と思ってくれていい。自分でも若干、不安になりますけれど」。スタート宣言もジョーク交じりで自虐的だった。

 登板時は常に半袖のアンダーシャツを着用するが、この日は長袖。「思ったよりも気温が上がっていなかったので、いろいろなことを試そうと思った」。環境に対応するため、試合前に力を抑えながらの「徐行運転」へと切り替えた。蓄積疲労がピークに近く、コンディション向上が最大の狙いのこの時期に、フォークを試すなど遊び心満載のマウンドだった。

 ハプニングの中でもカーブを4球、テストした。この日の最遅は90キロ。「そこまで遅くなくていい。本当は104、5キロくらい」という理想の球速ではなかったが、最大54キロの緩急差でほんろうした。初めてバッテリーを組んだ大野のサインに何度も首を振り、相性を診断。「今日に限っては合っていなかった」とギクシャクした場面もあったが、今後への収穫になる感触はつかんだ様子。梨田監督も「まったく心配していません」と笑顔だった。【高山通史】

 [2010年2月19日7時54分

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