2軍キャンプで調整中の2年目左腕、日本ハム土屋健二投手(19)が、1軍入りへ猛アピールした。18日、韓国SK(名護)との練習試合に2軍投手陣からただ1人登板し、2回をソロ本塁打1本による1失点に抑えた。「僕はローテに入っているピッチャーでもないし、2軍から呼ばれている立場だから、ビシッといかないとダメですね」。右中間席まで運ばれた失投を反省したが、梨田監督は「コントロールは悪くないし、球持ちがいい。オープン戦でも投げるチャンスはある」と評価した。

 韓国の強豪SK打線を相手に、7回を終わって9失点の投手陣の中にあって、土屋はしっかりと存在感を示した。8回からマウンドに上がり、この日2安打を放っていた9番金から続く上位打線を3人で料理。1発を浴びた9回にも2者連続三振を奪うなど、打者7人で3奪三振1失点と堂々の内容を見せた。

 昨年の春先、左打者に対して内角にシュートを投じて2軍で結果を残していたが、故小林投手コーチに「かわすピッチングはまだ早い。直球を磨かなくなるから変化球に頼るな」と、球種封印を指示された。今キャンプでその封印を解いた。「変化球に頼ることはしません。小林さんの言っていたことは理解した上で、直球を生かすために、シュートもレベルを上げたいと思いました」。投球に幅が出たことで、直球の威力も格段に増した。

 梨田監督は「将来的には先発だけど、今、上(1軍)で使うなら中継ぎかロングリリーフでも」と起用法を思い描いた。林の先発転向で競争が激化している左の救援陣の一角に、ダークホースが滑り込む。【本間翼】

 [2010年2月19日10時4分

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