ソフトバンク松中信彦外野手(36)が20日、不安説を一掃した。残り1カ月に迫った開幕戦をイメージしながら、白球をとらえた。20日、今キャンプ初となるフリー打撃を行った。58スイングで2発の柵越え。「ひざが痛くなかったことが前進」。南国の日差しを受けながら汗をぬぐった。

 B組(2軍)グラウンドに、EXILEの曲が流れた。主砲が本拠地で使用する登場曲だ。ネット裏から多くの観客の視線を受けた。キャンプ2日目、誰もいない室内練習場でスイングを再開した時とは、対照的な光景が広がった。

 マシンを相手にした14スイング目。主砲が“今季1号”を右中間席へたたき込んだ。続く15スイング目は右翼ポール際に1発。引っ張っても切れないフェード系の持ち球を、外野ネットに突き刺した。「柵越え?

 言われると思ったんで、遠慮しておきました」。この2発以外は、ミートを意識した軽めのスイングで自らにブレーキをかけた。

 「打撃だけ先行してもダメ。まだランニングを全力でできていないし」。この日は打撃練習前に6日ぶりとなるランニングを再開したが、ジョグ程度。ファンから歓声が上がるほどの打球が打てる状態ながら、ダッシュが可能となるまではまだ遠いことも事実だ。

 秋山監督はすでに、主砲の開幕戦出場へGOサインを出すデッドラインを示している。3月10日までのオープン戦出場。松中は球場を後にする際「先の事はわからない。1日1日なんで」と話した。それでも2発のアーチが、本人と宮崎を訪れたファンに確かな希望を与えた。

 [2010年2月21日11時49分

 紙面から]ソーシャルブックマーク