マー君撃ちでキャンプ仕上げだ!

 中日井端弘和内野手(34)が23日の楽天との練習試合(北谷)へ出場を志願した。当初、予定はなかったが、相手の先発予想が田中だと聞くと「それなら出たい。出るよ。一線級の投手の球を見た方がいいから」と一転して、出場への意欲を見せた。

 井端が「マー君」という言葉にそれほど反応した理由は1つ。そのボールが現在の自分をはかる「物差し」になるからだ。「空振り三振とかでもいい。あの辺にびしっと抑えられると、やるべきことがわかりやすい。今後の判断材料になる」。日本代表も経験し、昨季15勝をあげた田中のボールは最もシビアな「物差し」。アピールなど必要なく、開幕までに仕上げればいい井端クラスの選手にとっては結果を度外視しても見るだけ、振るだけで価値のある数少ない投手というわけだ。

 昨季3割6厘の打率を残し、今季は首位打者を狙う井端はキャンプを順調に消化している。虫さされ、目の異常などで4年連続で途中リタイアしてきたが、5年ぶりの完走が目前だ。悪夢の沖縄と決別するべく、最後の仕上げはマー君との対戦。田中との対戦は07年から15打数4安打の打率2割6分7厘。打てば首位打者へ視界良好、凡退しても課題が明確になる。

 ここまでチームは国内球団との対戦では主力を出場させておらず、最終的に井端が出場できるかどうかは首脳陣の判断次第。ただ、最高の調整相手を前にして、井端の目は燃えていた。【鈴木忠平】

 [2010年2月23日10時15分

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