阪神金本知憲外野手(41)はライバル巨人とのオープン戦で10年シーズンを発進する。真弓明信監督(56)が22日、金本の実戦開始時期に言及。3月16日に東京ドームで行われる巨人戦(18時開始)が照準となった。不動の4番金本の登場で、今季のベストメンバーが出そろう格好だ。昨季までの2シーズンは左ひざ手術の影響で調整が不十分だった金本だが、今季は万全。この日の安芸キャンプでは弟分の新井“イビリ”がさく裂するなど元気いっぱいだ。

 ユニホームを見るだけで燃える相手が、金本の滑り出しを加速させる。今季も4番が決定的な主砲の気になる初実戦に、リーグ3連覇中の宿敵巨人との対戦が浮上した。真弓監督が見通しを明かした。

 「最後の東京遠征あたりから出られればと思う。昨年のことを思えば、それくらいでね」

 オープン戦が残り5戦となる3月16日の巨人戦をメドにした。直前の14日にも巨人戦はあるが、甲子園でのデーゲーム。時期的には“寒の戻り”で冷え込むこともある。その点16日はナイターながら屋内の東京ドーム。17日から神宮、横浜と続く関東遠征が、試運転の開始にはもってこいという計算だ。

 08、09年シーズンと、オフに左ひざ手術を施していた。春季キャンプのメニューはリハビリが主。オープン戦出場も開幕直前の数試合に限られ、ぶっつけ状態でシーズンに臨んでいた。金本本人が「昨年とは全然、違う」と順調な仕上がりを実感する今季は、少なくとも5戦の実戦機会を経てシーズンに突入。初戦から覇者巨人が相手なら、いきなりトップギアでゲームに集中できそうだ。

 指揮官の号令を知ってか知らずか、この日の金本はグラウンド内外で絶好調だった。弟分の新井と30メートルダッシュのタイムを競い合い、わずかに上回った。その後、報道陣に囲まれる新井に忍び足で近づき、インタビューを盗み聞き。新井が「金本さんとのダッシュは同じくらいのタイムでしたよ」と答えると、むっくと姿を現した。

 「何言っているんや。全然違うやないか。しかも前日(21日)の紅白で自打球が当たったからと言い訳ばっかりして」

 実際にタイムは33歳の新井が3・94秒に対して、金本は3・90秒だった。新井が自打球の影響を持ち出していたこともばらし、得意げに立ち去った。

 芝生に座ってインタビューされていた安藤にも背後から近づき、金本がまたいでインタビュアーともども驚かせた。若手捕手陣のフライ捕球にも乱入した。普段とは逆の右打ちで頭上に打ち上げるノックに挑戦。何度か空振りしながら、ノックバットを振り回した。この分なら、リハーサルからG倒にフル回転するのも間違いない。

 [2010年2月23日11時34分

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